茫然自失。ホールアウト後の藤本佳則(東北福祉大学3年)の表情は、色をなくしていた。昨日までは、計算通りのプレーとスコアで通算10アンダーパーまでスコアを伸ばしてきた。「パットが入らなかった」17番で優勝の櫻井が5メートルのバーディパットを沈めたのに対して、藤本は4メートルから3パットのボギー。71ホール目まで守りぬいた首位の座。初のJGA競技優勝は、指の間からすり抜けた。「しんどかったです」そう絞りだすのが精一杯だった。
伊藤慎吾(大阪学院大学1年)は、「1番でバーディを取れたのですが…」と3位入賞にも不満顔だ。3番(パー5)で3パットのパー。後半もチャンスがありながら決め切れなかったの
が悔しい。本選手権初出場で第1ラウンドに首位スタート。「4日間、暑さで厳しいコンディションを乗り切れた。第1ラウンドには首位に立ったし、自分もやれる自信がついた。でも、他の選手がスコアを伸ばしてくる2日目、3日目にスコアを伸ばせなかった。それが課題」来年、さらに成長した伊藤が見られることを期待したい。
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