会場の城陽カントリー倶楽部・西コースは、アップダウンも激しく体力的にも困難さがあるが、選手を苦しめているのは、それだけではない。ドッグレッグホールが多く、セカンドショットを傾斜地から打つことも多いため、距離感を惑わされやすいようだ。首位の大堀をはじめ、2位タイの東香里(同志社大学4年)と山本有里(大手前大学3年)の上位3人が地元関西の大学に在籍しているのも、深い理由がある。リーグ戦の会場にもなっている同コースの特徴を熟知しているから、コース攻略も上手くいっているようだ。
今年が最後の日本女子学生となる東は、「今日は苦しいゴルフだった」と苦笑いをみせた。11番で「絶対入らない場所からだった
」という4メートルの下りスライスラインをねじ込み幸先良いスタートを切ったが、12番でティショットのミスからピンチを招き、1.5メートルのパーパットを外してボギー。15番では再び4メートルを決めるも、前半最後の18番ホールでよもやの3パットでボギーを叩き、前半を1オーバーパーで折り返す。「今日は、距離のジャッジがすごく難しくて。自分のアイアンショットの狭間の距離ばかりで…」とため息をつく。
後半も7番までパーを積み重ねるが、必死のプレーだったようだ。そして迎えた8番。セカンドショットでOBのミスでダブルボギーを叩き、このままスコアを落とすかと思われた東だったが、「逆にあのダブルボギーで気持ちが引き締まった」と、最終9番で三度4メートルのバーディパットを沈めて見せた。本選手権は、2007年に3位タイ、2008年は2位とあと一歩のところでタイトルを逃している。「どうしても勝ちたい」という強い意志が最後の集中力を生んだのか。「最後、明日に繋がる良い終わり方が出来た。自分は追いかけるほうが得意なので、明日は頑張ります」明日の最終ラウンド18ホールで東の大願が成就なるか。
一方の山本は5バーディ・3ボギーのベストスコア69をマークして2位タイに浮上した。1番で6メートル、2番で1メートルを沈めて連続バーディでスタートを切ると、3、5、7番でボギーを叩いたものの、9番も5メートルを沈めて前半をパープレーで凌ぐ。後半は13番で130ヤードの3打目を8番アイアンで50センチにつけるスーパーショットを放つなど、2バーディ。会心のプレーかと思われたが、「もっとパットが入っていれば」と悔しさをにじませる。
山本は、第2ラウンドのスタートを前に「今日は絶対に良いスコアを出して、優勝争いに加わりたい」と考えたいたという。その言葉通り「スタートからバーディを狙って」プレーした結果が、好スコアに繋がった。日本女子学生は3度目の挑戦で初の最終ラウンド進出になる山本。「今日は、このコースで自分のベストスコアを更新できた。明日もパットがよければ…」願いどおり優勝争いに加わっていられると読んでいる。
3度目の正直を狙う東と、初の戴冠チャンスを目前にする大堀と山本は明日、最終組でプレーする。
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