イーブンパーで5人が首位タイに並ぶ大混戦となった本選手権第1ラウンド。しかし、大亀章(西仙台)と稲田一男(栃木)は、対照的なプレーだった。
10番ホールからティオフした大亀は、「昨日、練習ラウンドで3パットの連続。今日は、とうなるかと・・・」と不安を抱えてのスタートだったが、14番(パー3)のバーディで不安は一掃する。このホール6番アイアンでティショットを放った大亀は、2段グリーンの下、15メートルに1オン。「段を上って、ホール周りは下り」という難しいバーディパットは、見事にホールに沈んだ。16番(パー5)でアプローチミスからボギーを叩いたものの、17番(パー4)では、再び5メートルをねじ込
んで前半で1アンダーパーをマークする。後半6番(パー3)でボギーを叩いたが、安定したパッティングが目を引くナイスプレーだった。「元々、早いグリーンは好きなんだけど、これだけのスピードが出るグリーンは久しぶりで。今日は前半で14パット。1ラウンドで3パットがなかったのがね」と自らのプレーに半信半疑ながら、表情は明るい。昨年、初出場を果たした本選手権では62位タイに終わっているが、今年は一矢報いたいと虎視眈々と優勝を狙う。
一方の稲田は、「アイアンショットは良いけど、パットがねえ」と数多くのバーディチャンスを逃してのイーブンパーに苦笑いを見せた。前半は、4番(パー3)でスライスラインを読みきれずボギーを叩いたほかは、スコアカード通りのプレーで37。後半は10番(パー4)でこの日初バーディを奪うと、14番(パー3)でバーディ。15番でティショットのミスが響き、この日2つ目のボギーで、2バーディ・2ボギーの72でホールアウト。「前半はショットがオーバー目になってしまって難しいアプローチとパットが残ってしまった」という稲田。後半は、「アイアンショットをパンチショット気味に打つ」ことでショットの切れも戻り、バーディを奪った14番では、6番アイアンが1メートルについた。しかし、「2バーディは、いずれも1メートル。それぐらいに寄らないとパットが入る気がしないよ」と難グリーンに手を焼いた1日を振り返った。稲田は昨年の本選手権で優勝の金本勇に5打差の2位タイと苦杯を舐めているだけに、今年こそはという思いも強い。大混戦となった第1ラウンドを終え、昨年の雪辱を胸に明日の18ホールをプレーする。
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