首位タイの一人、イーブンパーでスタートした青野章は、強風の中でも終始安定したショットで優勝争いを牽引し続けていた。「飛距離が出ない」とぼやいていた青野だが、それを補って余りある正確なショットで優勝を争う山本と大亀章(西仙台)、稲田一男(栃木)に付け入る隙を与えないプレーを見せていた。前半を1バーディ・2ボギーで終えると、後半も14番を終えて通算2オーバーパー。2位とは3打差をつけて、もはや優勝杯は青野の手に納まるかと思われていた。
しかし、当の本人は、全く余裕はなかったという。「優勝を意識した」という16番(パー5)。それまで、乱れのなかったショットが狂い、3打目でグリーンオーバーをした
青野。グリーン奥からのアプローチは「トップ気味だった」というミスで寄せきれず、3パットのダブルボギー。このホールでバーディを奪った山本に一気に逆転を許し、残り2ホールも連続ボギーとしてしまい、通算7オーバーパーの4位タイに終わった。「自分は過去にも残り3ホールでスコアを崩して、優勝争いから脱落した経験があって・・・自分の中で、そこだけはしっかりとプレーしたかったけれど。負けた試合からたくさんのことを学ぶことができると思って・・・でも、悔いが残る」と唇を噛む青野。第1ラウンドが終えたときには、「明日は70台のスコアでプレーできれば」と話していたが、この日のスコアは1バーディ・6ボギー・1ダブルボギーの77。目標スコアはクリアしたものの、悔しさばかりが残る初めてのグランドシニアとなってしまった。
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