2002年、2003年と本選手権を連覇している田村尚之(賀茂)が圧巻のプレーを見せた。1番ホールからスタートした田村は、2番(パー5)で50ヤードの3打目を1メートルにつけてバーディが先行すると、9番(パー5)も計算通りバーディを奪い、前半で2つスコアを伸ばす。気温が下がった後半、12番(パー3)でアプローチを1メートルに寄せながら、パーセーブを逃したものの、13番で1メートルを沈め、このホールから15番まで3連続バーディを奪う。最終18番(パー5)では、またも残り70ヤードを1メートルにつけてバーディフィニッシュ。この日6バーディ・1ボギーの67と3度目の優勝に向けて好スタートを切った。
スタートダッシュを決めた田村だが、表情は曇りがち。「アイアンショットの精度が悪くて」というのがその理由だ。16番(パー3)では、3番アイアンのティショットが手前に入り、グリーン右のバンカーに打ち込んでしまう。このバンカーショットを7メートルと寄せ切れなかったが、これを真ん中から沈めてのパーセーブ。「これまでピン型のパターを使ってきたのを、2ボール型に変えた。昨日の夕方に、新しいパターのコツを掴んだ」という新しい相棒がピンチを救った。また、13番では、ティショットがフェアウェイ右サイドながら球はディボットに。8番アイアンを手にしたセカンドショットは、「フェースをかぶせ気味にして」見事に1メートルにオン。15番もティショットが左へのミスとなりグリーンを狙うには木の枝が邪魔になる位置に行ってしまう。しかし、ここでも5番アイアンで低めに打ち出し木の枝の下を抜いてドローをかけて、ピン5メートルにつけて見せた。「フェアウェイからのショットが左右にブレるんです。でも、トラブルやピンチになった時に、目の前の一打に集中することができた」と好スコアの要因を話す。
ここのところの田村は「中四国オープンから、競技で7、8ラウンドをプレーしていますが、一度もオーバーパーがない」という絶好調ぶり。しかし、「調子のいいときこそ、痛いミスをしてしまうもの。今日は、この寒さの中で、満足の行くプレーが出来たので、明日も落とし穴に落ちないよう、慎重にプレーします」と、ライバル達に付け入る隙を与えるつもりはない。
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