首位スタートの田村尚之は、「田村らしさ」を欠いた1日となった。「田村らしさ」とは、ピンチにも動ぜず、マムシのごとくパーセーブを見せる粘りのプレー。しかし、第2ラウンドはスタートの10番でティショットを右の林に打ち込むと、木の間を狙ったセカンドショットが枝にあたり、ダブルボギーを叩いてしまう。直後の11番ではティショットが左のミスでボギー。2ホールで3ストロークもスコアを落としてしまう。13、14番と連続バーディを奪い、調子を取り戻したかに思えたが、18番ではティショットをまたも左に曲げてあわやOBというミス。辛くもOBは免れたが、続く2打目で「思ったよりも風が強くて」グリーン奥に打ち込みOBと
し、この日2つ目のダブルボギー。後半に入っても1番でボギーを叩く。3番、4番と1メートルのバーディを続けて決めて溜飲を下げたが、この日の田村は4バーディ・2ボギー・2ダブルボギーの74。2つスコアを落としながらも通算3アンダーパーで辛くも首位タイに踏みとどまった。
「昨日はアイアンショットが悪くて、そればかりを気にしていたら、今日はドライバーが曲がって・・・」と、顔をしかめる田村。「ゴルフは1日で調子が変わる。こういうものだとはわかってはいるけれど」と話す。幾度となく優勝争いを経験し、数多くのタイトルを獲得してきた田村だが、「なかなか楽をさせてはくれない。今日は戒めを受けましたね」とゴルフの怖さを改めて痛感させられた。しかし、「今日は80を叩いてもおかしくないプレーだった。それでも74で踏ん張れたし、昨日の貯金を使ってしまったけれど、まだ首位タイに残れた。ミスは今日で全て出きったと思うようにして、明日また仕切り直しです」大会3度目の優勝は茨の道となっている。
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