豊島豊(東千葉)は、この日3バーディ・1ボギーの70をマークし、通算2アンダーパーにスコアを伸ばして2位入賞を果たした。スタートの1番でティショットを右にミスしてボギー発進となったが、2番で2メートルのバーディを決めてスコアを戻すと、「ピンチの連続だった」3番から9番をパーで凌ぐ。後半13番で1メートル、15番では、木の枝がスタイミーになる180ヤードのセカンドショットを5番アイアンで枝の下を通す見事なリカバリーを見せてバーディを奪って見せた。
「この3日間、ずっとアイアンショットの調子が悪くて。復調したのは、最後の9ホールでした」と苦しみぬいた3日間を振り返る。昨年の関東ミッドアマを制
するなど実績を残してきた豊島だが、7月の日本アマでカットラインに遠く及ばず129位タイでカットとなるなど、今年は不調にあえいでいた。「体力トレーニングの効果で、飛距離が伸びてきたんです。でも、それが自分のプレースタイルを忘れさせてしまったようで」と話す豊島。本来、確実にフェアウェイを捉え、アプローチとパッティングでスコアメイクをするのが豊島のプレースタイルだったが、飛距離が伸びたことで「プレーが雑になってしまっていた」。それに気づいたのが、本選手権の一週間前だったという。「自分のプレースタイルとよく似た選手と一緒にラウンドしたときに、ふと自分も一打一打を丁寧にプレーしていたよなって」自分のプレースタイルを見失っていた豊島は、この3日間「もう一度、頭の中を整理して、アマチュアらしいパーを積み重ねるプレーをしよう」と心がけていた。「54ホール、それを実践できた。この試合がいいきっかけになると思う」小さな実力者の復活がなった。来年の日本アマでは捲土重来を期す。
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