池田智廣(フィリピン)との決勝36ホールマッチに臨んで、比嘉真美子は綿密な戦略を練っていた。第1日、第2日のクォリファイングラウンドで池田のゴルフはしっかり頭に刻み込んであった。
「すばらしいショットメーカーで、ショートゲームも巧み。パーを重ねていくゴルフでは、勝てない。だから、積極的に攻めていくゴルフで、自分から仕掛けていかないと、こちらのペースに持ち込めない。そう思ってスターティングホールに立ちました」
緩やかな打ち上げになる1番パー5。比嘉は会心のティーショットで戦いをスタートさせた。フェアウェイ中央からの第2打。3UTで、これまた会心のショットを放ってグリーンをとらえた。ド
ライバーの平均飛距離270ヤード。池田よりも20ヤード以上も飛ぶ。この飛距離のアドバンテージを第2打にも生かし、つなげてバーディを奪っていくのが比嘉のスタイルだ。3オンの池田に対して比嘉は2パットで楽々バーディを決め、このホールをとった。続く2番ホールでは、攻めが裏目に出るボギーでパーの池田に勝ちを譲った格好のオールスクェアとなったが、なおも比嘉は攻めのスタイルを貫き通していった。3、4、5番と連続してとり、一気に3アップ。さらに8番からまた3ホール連続でアップして、この時点で5アップと、勢いの違いを見せつけていった。
前半の18ホールを終わった時点では、比嘉のリードは7アップと広がっていた。実に7バーディを奪う圧倒的なゴルフの調子、内容であった。
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