「ようやくマッチプレーに行くことができます」安堵と喜びが入り混じった表情を見せたのは、第1ラウンドをイーブンパーの21位タイで終えていた長谷川祥平(広島紅葉)。この日の長谷川は4バーディ・ノーボギーの完璧なプレーで4つスコアを伸ばし、通算4アンダーパーの3位。2008年大会から4連続での日本アマ挑戦で初めてのマッチプレー進出を決めるとともに、ストロークプレー上位3位までに与えられる日本オープンの出場権も手にした。
10番ホールからティオフした長谷川は、「ドライバーショットが左右にぶれて」なかなかスコアを伸ばすチャンスを作れない。15番では、3打目をグリーン奥にこぼし、アプローチはホールを
3メートルもオーバーしてしまう。ピンチを迎えた長谷川だが、このパーパットをねじ込み、波に乗る。17番では6メートルの上りフックラインを読みきって初バーディを奪うと、続く18番では左ファーストカットから170ヤードのセカンドショットを「フライヤーを計算して、少しカット目に打った」7番アイアンが会心の手ごたえで、50センチに付き連続バーディ。
後半の1番も6メートルを沈めて3連続バーディで一気にスコアを伸ばす。4番でアプローチミスから5メートルのパーパットを残すも、再びこれを沈めてみせた。5番では8メートルのバーディを決めた長谷川は、「アイアンはずっと好調を維持していたのに加えて、今日はパットが良かった」と笑顔。
昨年大会では、第1ラウンドで3アンダーパーの7位タイにつけながら、2日目は「大事に行こう。スコアを守ろうとして、萎縮しすぎました。3番ウッドで打ったティショットをOBにしてしまったり、脆さが出ました」という84の大崩で100位まで順位を落とす悔しさを味わった。その教訓を生かして、今年は「最後まで攻める。その気持ちを続けられたので」見事にリベンジを果たした。2008年から3年間、JGAナショナルチーム入りを目指す育成選手としても活動してきた長谷川。将来の活躍を期待されている逸材が、ようやく才能を開花し始めている。
「もちろんマッチプレーをすることも初めてです。試合前からベスト8を目標にしているので、明日の2マッチは勝ちたい」と、待ちに待ったマッチプレーに思いを馳せていた。
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