本選手権初出場の大貫渉太朗(水城高校1年)がこの日5バーディ・2ボギーの69をマークし、通算5アンダーパーの6位タイと健闘を続けている。10番ホールからスタートした大貫は、11番でティーショットを左のバンカーに打ち込むミス。2打目はグリーン手前にレイアップし、30ヤードのアプローチを残した。サンドウェッジでチップインバーディを決めた。「あのチップインは大きかった」という大貫は、14番(パー5)でバーディを奪うと、16番と18番で2メートルのバーディパットを確実に沈めて、前半で4つスコアを伸ばした。
このまま後半もスコアを伸ばすかと思われた大貫が躓いたのは、1番。ティーショットをラフに入れ
ると、セカンドショットを前に、しばし悩む。「フライヤーになってグリーン奥に外せば、パーは難しい。グリーン手前でもいい」と普段よりクラブを1番手落としてセカンドショットを打つ。しかし、前半の4バーディが自分でも気がつかないうちにアドレナリンを出していたのか、スウィングリズムを崩して右にプッシュアウトするミスとなり、ボギーを叩いてしまった。
この後は、再三のピンチを得意のアプローチとパターで凌ぎ、6番で6メートルのスライスラインをねじ込んでバーディ。7番は1.5メートルを外してボギーとしたものの、「2日間5アンダーパーは、予定通りのスコア」と、満足げに話す。しかし、1番のボギーには納得がいっていないようだ。身長162センチと決して体格に恵まれない大貫は、自分のゴルフの身上を「コースマネジメントにおいている」という。だからこそ、1番のセカンドショットのジャッジは「もっとシンプルに考えないと」と反省している。
全国大会での優勝争いは未経験だが、「2日間、よく耐えることが出来た。ショットの調子は悪いけれど、ふとしたきっかけがあれば、復調できそうに感じている」と、明日のラウンドに仄かな自信をのぞかせて、不敵な笑みを見せた。
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