昨日の第1ラウンドで霞ヶ関CC・東コースのコースレコードを塗り替える65をマークして単独首位に立った川村昌弘(福井工業大学附属福井高校3年)は、スタート前に「昨日、あれだけのビッグスコアが出たんだから、今日は自分のスコアは伸びないだろう」と覚悟していた。だから、出だしの10番で4メートルのバーディチャンスを外しても、「やっぱり今日はパットが決まらないね」と同伴競技者と話をするぐらい落ち着いていられた。
12番ではティーショットを林に打ち込み、4メートルのパーパットを決められずボギーが先行しても、焦る様子は感じられない。泰然自若。年齢に見合わない川村の井戸水のような冷静な心は、チャンスを逃
しても変わらなかった。耐えるでもなく、あるがままを受け入れていく川村のプレーに神様が微笑んだのが18番だった。このホールもティーショットを右にミスして林に打ち込んだが、セカンドショット地点にいくと、グリーン方向に大きな空間がある。川村は、このセカンドショットをグリーン手前に運ぶと、アプローチはあわやチップインイーグルかと思わせるスーパーショットでカップをかすめて25センチについて、この日初バーディ。
「今日は、パープレーで良いと思っていたところで、前半でイーブンパーに戻せたのは大きかった」と余裕が出た川村は、後半に入ると3番で4メートル、4番で3メートル、6番で2メートルを沈めて3つのバーディを奪う。最終9番(パー5)では2オン・2パットでバーディフィニッシュ。パープレーを目標にしていた第2ラウンドで4つスコアを伸ばした川村は、通算11アンダーパーで2位の加藤に4打差をつけて最終ラウンドに臨むこととなった。
JGA主催競技初優勝に手が届く位置に来ても、「2位と4打差なら、最終ラウンドを自分が普通にパープレーでホールアウトできれば、充分勝てると思います。そうすれば、相手が5アンダーパーを出さないと逆転は出来ないですから。有利な位置にいるからこそ、明日はパーを積み重ねて、焦らずプレーしたい」川村は最後まで冷静だった。
|