第1ラウンドを終えてトップに立ったのは高校1年生の権藤可恋(福岡第一高)。「決めるべきバーディパット、パーパットがことごとく決まって」、その上9ホール目(10番からスタートで18番ホール)ではグリーン右手前ラフから30ヤードのアプローチショットをチップインさせる技も決まって、7バーディでボギーなしの66。これまでの自己ベストスコア69を大幅に更新し、JGAナショナルチーム勢を抑えての単独トップだった。
163センチ、筋肉質のアスリート系で平均飛距離は自称240ヤード。周囲からは「そんなもんじゃない。ランを含めれば、少なくとも260ヤードは飛ばす」という声があがっている。シャープなスウィン
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グ、強い弾道。実際にそのショットを見れば、後者の評価の方が正しく思える。
ゴルフを始めたのは10歳からだった。「家族で共通の趣味を持つため」というのが、動機だった。その前から権藤はテニスを始めていた。それも硬式だ。中学では、テニス部に。部活を終えてからはラケットをクラブに持ち替えてゴルフ練習場に通う日々だった。アスリート系の肉体に鍛えられていった背景には、そんな二重練習があったわけだ。
テニスかゴルフか。高校に進学してゴルフに専念するようになった。スコアは70台後半。そのレベルから、もう一段上にいくには何が必要なのか。周囲からのアドバイス、本人の自覚は一致していた。「パッティングとアプローチを徹底的に練習すること」。ここまで続けてきた練習法がある。練習グリーンでカップを囲むようにマークを置き、1.5メートルぐらいの距離をぐるっと回りながら打つ。いわば全方位からの同一距離パッティング練習だ。ラインが微妙に異なる。
この練習でショートパットへの自信を深めたことが、確実に権藤のゴルフをステップアップさせた。そして、絶好のスタートにも、冷静に向かい合う自己分析をしている。
「自分は、コンスタントにアンダーパーを狙っていけるレベルには至っていません。だから、2日目からは、当初の目標どおり70台前半のスコアを出せるように、丁寧にプレーを続けていきます」。この方針は、今大会同伴してくれた父親とも共通認識であることを確認し合ったという。
ジュニアゴルファーには、着実にステップアップする時期と、いきなりジャンプアップする時期がある。もし、権藤が、後者の時期を迎えているとしたら…。そんな目で第2日のプレー、結果を追いかけたい。
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