12~14歳の部の最終組は、9番ホールをプレー中に雷雨で中断、そのまま第3ラウンドのプレーは中止となり、第2ラウンド終了時にトップに立っていた佐々木笙子(猪名川町立猪名川中3年)の優勝が決まった。クラブハウスに避難中にこれを知った佐々木は「うれしい、というよりビックリしました」と、その瞬間の心境を口にした。初めての日本ジュニア挑戦で初優勝。
実は、中断中もやる気満々でいた。
「自分は、これまで競技会と言うと決まって第1ラウンドに叩いてしまって、力を出せないまま終わってしまうことが多かった。逆に、終盤までいいプレーを続けながら、最後で大叩きするパターンもありました。こちらは小学生のときの
大会で最終ホールでダブルパーを叩いて優勝を逃したのがトラウマのようになっていました。だから、この日本ジュニアでは、3日間、自分のプレーをやり通すという気持ちで臨んでいました」
第1ラウンドに1アンダーパーの72。出足でつまずくという悪いパターンはクリアできた。第2ラウンドは自己ベストの68をマークして通算6アンダーパーまでスコアを伸ばして単独トップに立った。そして第3ラウンド。8番ホールまで2アンダーパー。通算8アンダーパーでトップを守っていた。その佐々木を追い上げていたのが、同じ最終組でのラウンドとなった勝みなみ(鹿児島市立長田中1年)だった。8番ホールを終えて、この日3アンダーパー。その差を1ストロークと詰め寄っていた。
9番ホール。雨は激しさを増していた。佐々木のティーショットはバンカーにつかまった。8番アイアンでの第2打は、アゴに当たってグリーンまで40ヤードを残していた。ここで雷が鳴り始めての中断。ボールをマークしてクラブハウスに避難するときにも佐々木は「再開したら、なんとかパーでしのいで、後半はさらにスコアを伸ばしていこう」と、自分に言い聞かせていた。
中止決定、そして初優勝。だからうれしさより、驚きが先だったというわけだ。この大会、第2ラウンドの5バーディ・ノーボギーのプレーが大きな自信になったという。それも5バーディではなく、何度もピンチをしのいでパーをセーブできたことに「自分の成長を実感できた」のだという。
夢は世界の殿堂入りを果たせるような選手になること。全国大会初優勝で、その夢をさらに大きく膨らませた。
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