本選手権初出場の水石琢哉(中央大学1年)と、今年が最後の日本学生となる神農洋平(中央大学4年)の中央大学コンビが、ともに68の4アンダーパーをマークして2位タイと好スタートを切った。
10番ホールからスタートした水石は、序盤ショットが好調。14番(パー4)で残り120ヤードのセカンドショットをピッチングウェッジで直接放り込むチップインイーグルを決めると、18番(パー5)もバーディを奪って前半を3アンダーパーで終える。後半も3番(パー5)で5メートルのバーディパットをねじ込んで見せた。しかし、「徐々にショットが乱れてきた」という水石は、5番、7、8、9番とボギーのピンチを迎えるも、「アプローチ
とパットで凌いで」何とかパーをセーブし、ノーボギーでホールアウトした。「後半のピンチも1~2メートルのパットが入ってくれた」と笑顔の水石。平均飛距離260ヤードの水石は、ショットメイカーのイメージ。だからこそ、会場のスリーレイクスは、「へたに飛距離を求めるよりも、正確性を重視したほうがスコアが出る。自分は飛ばないので、方向性を重視して、普段より軽めのショットでフェアウェイキープを心がけた」という作戦を立てた。そのマネジメントと正確性を求められるコースが、「自分に合っている」と言わせる。しかし、第1ラウンドは、好スコアだったが、「後半からのショットの調子では…」と明日のプレーに不安ものぞかせる。しかも、「練習ラウンドを含めて5ラウンドをこなすのは、初めて」。だから、優勝という目標よりも「まず、4日間プレーすること」を第一目標にして、「最後までプレーすることで、自分の課題を明確にしたい」と、謙虚に語った。
水石の先輩でもある神農は、水石とは逆に身長182センチの長身から繰り出すショットが魅力の大型プレーヤー。しかし、奇しくもスリーレイクスCCに対するコースマネジメントは、水石と同様だった。「練習ラウンドで、パー5は全て2オンを狙える距離だとわかった。でも、あえて攻めにいかずに確実に3オンしてバーディを奪う」作戦をとった。これが奏功して、前半の2つのパー5はいずれもバーディ。しかもスタート直後の2番(パー4)では、残り20ヤードのアプローチをサンドウェッジで直接決めるチップインバーディを決めた。「気持ちも乗ってチャンスでパッティングが決まってくれた」という神農は、5番から3連続バーディを決めてみせ、ボギーは8番の1つだけという完璧な内容で前半を終える。しかし、後半は一転、2バーディ・2ボギーのパープレーと足踏みとなった。特に悔いが残るのが、最終18番(パー5)のボギー。作戦通りセカンドショットを5番アイアンでグリーン手前にレイアップ使用としたショットが右へのミスで林の中へ。このショットには納得がいかなかった。「バーディを取りたいホールでのボギー。あそこは悔しい」と語るが、そこまでの17ホールについては、「完璧です」と胸を張る。最終学年の神農にとって今年が最後の日本学生。「自分の集大成としてこの試合に臨んでいる」と、意気込みは相当強い。
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