6アンダーパーの首位タイに並んだ須田将太(大手前大学3年)と矢代直仁(法政大学2年)。2人とも好スコアに自分自身で驚いていた。
須田は前半からショットが好調でパーオンを続けて8番までピンチらしいピンチもなくパーを積み重ねる。迎えた9番。残り150ヤード地点のラフから9番アイアンで放ったセカンドショットが2メートルについて、この日初バーディを決めた。「前半は、パーオンしてバーディパットを寄せて、パーセーブを続けられて…安全なパーばかり」と、スコアは伸ばせなかったが、自分のプレーに納得していた須田。それが11番をきっかけに一気にスコアを伸ばし始める。ターニングポイントとなった11番(パー3)。8
メートルの上りフックラインを読みきった須田は、「あのバーディパットが大きかった」と振り返る。その言葉通り、14、15番で1.5メートル、16番で5メートルを沈めて3連続バーディ。最終18番(パー5)も残り220ヤードのセカンドショットを3番アイアンで2オンし、楽々バーディでこの日のプレーを締めた。6バーディ・ノーボギーの完璧なプレーを見せた須田だが、自分自身でこの好スコアに驚いている様子。「試合で66を出したことは記憶にないんです」というのだから、それも理解できるところだ。「明日は、パープレーを目標に。1つでもアンダーパーでホールアウトできれば」と、慎重なプレーを誓った。
もう一人の首位タイ、矢代直仁(法政大2年)は、今年試験勉強に忙しく、ゴルフの練習に割く時間は減り、例年の「半分くらい」の練習量だった。「今年は我慢して、来年がんばろう」と思っていたという。本大会は「正直、後半のラウンドに進めれば…、日本学生に出られるだけでもいい」という気持ちだった。だからこそ、このスコアに自分が驚いた。1番から3連続バーディで「ぼやっとしていたのが、逆にあせった」という目の覚めるロケットスタートを切ると、さらに5、6番でバーディを奪い、9番でボギーを打つも前半を4アンダーパー32で回った。後半も10、12番とバーディを奪い、勢いは止まらない。だが、この日唯一のミスといっていいのが13番だった。ティーショットを左のラフに曲げ、2打目をレイアップし、グリーン手前のラフからの3打目をまたミスし、結局4オン2パットのダブルボギーを叩いてしまった。だが、これで終わらないところが彼のすごいところだ。流れが切れたかのように思えたが、16、17番でまたバーディを奪って、取り戻した。この日は9バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの6アンダーパー66で回り、首位に並んだ。
本人にとっては、「予想外の」好スコアだった。「75以内ならいい」と思っていた。これまでも今年はラウンドをあまりこなしてなく、実戦感覚に不安を感じていた。特に「アプローチ」など微妙なタッチや距離感を要求されるショートゲームは、プレーしながら研ぎ澄まされる部分があるからだ。それだけにこの結果には本人もびっくりのようだ。
「明日はまた元に戻ると思いますよ」と笑うが、好スタートを切れたことは間違いない。このアドバンテージを活かして、波乱を演出することを期待したい。
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