昨年大会、最終ラウンドに櫻井勝之にまさかの逆転を許し悔し涙を流した藤本佳則(東北福祉大学4年)。雪辱を期して臨んだ本年は第1ラウンドで9位タイにつけて、第2ラウンドをスタートした。10番ホールからティーオフした藤本は、12番で4メートルのバーディパットをねじ込むと、続く13番では、7ヤードのアプローチをサンドウェッジでチップインバーディ。このまま一気にスコアを伸ばすかと思われたが、「雨で重くなったグリーンでカップをオーバーするだけのタッチを出すことが出来なかった」とチャンスを決めきれずに4番ホールまでパーを続ける。スコアが動いたのは、5番。残り90ヤードのセカンドショットを90センチにつけてこ
の日2つ目のバーディを奪い、「ようやくパッティングの調子もつかめてきた」と6番で4メートル、9番でも2.5メートルを沈めて、5バーディ・ノーボギーの67でホールアウト。この日5つスコアを伸ばした藤本は、通算6アンダーパーで後輩の松山、久我と首位タイに並んだ。
「昨日の1アンダーパーで、いい順位にいられるかと思ったら、トップは6アンダーパーで。今日、スコアを伸ばせなければ、面白い展開には持ち込めないですよ」と余裕の表情。団体金メダル、個人戦で銀メダルを獲得したユニバーシアード競技大会が開催された中国からとんぼ返りして、練習ラウンドもほとんどしないなかで迎えた本選手権。長時間の移動と連戦で疲れてはいるが、「2日間プレーして、コースの特徴もつかめた」と、不敵に笑う。「昨年は、あんな形で逆転されているし、今年は最後だから…」と飲み込んだ言葉は、容易に予想がつく。
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