ドッグレッグが多く、グリーンも固い。選手にとって「攻略し甲斐がある」という言葉で表現する以上に難しさを感じさせる熊本空港カントリークラブ。120名の選手たちが苦しめられている難コースでただ一人アンダーパーをマークしたのが、﨑山俊紀(今治)だ。﨑山は、スタートの10番でいきなりのピンチとなる。ティーショットを右の林に打ち込み、2打目は普通のショットでは枝にかかる状態。このピンチを、「グリーン手前でワンクッション入れて…」というイメージ通りのリカバリーショットを放ち、3メートルに2オン。ピンチから一転バーディスタートのチャンスも、下りで1メートルは右に切れるという難しいラインが残った。﨑山は、これ
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を慎重に沈めると、続く11番でボギーを叩くが12番でアゲインストの風の中、125ヤードのセカンドショットを7番アイアンで1メートルにつけるスーパーショットで2つ目のバーディを奪った。「スタートのピンチとチャンス。直後のボギー、バーディ。ちょっと落ち着かない出だしだったね」と苦笑いの﨑山。17番で2メートルを外して前半をイーブンパーで終えると、後半4番(パー5)で残り50ヤードのディボット跡からのアプローチショットを1メートルにつけてバーディ。7番では3メートルのフックからスライスとなるスネークラインを「読んだラインを信じて強めに打って」ホールの真ん中から沈めて見せた。
ここまでは、﨑山も充分納得のいくプレーだったが、最終9番に落とし穴が待っていた。105ヤードを9番アイアンでトップするなど、フィニッシングホールをボギーとしてしまった。﨑山が悔やむのは、「4つあるパー5で2つボギーを打ってしまった」こと。熊本空港カントリークラブでは、パー5でバーディを重ねることが優勝に近づく条件と思っていただけに、1アンダーパーのスコアにも心から納得は出来なかった。
広島カンツリー倶楽部・八本松コースで行われたシニアオープンでは、自身5度目のローアマチュアを狙っていたが、精細を欠くプレーでカットに終わった。「仕事の関係で多忙になってしまって…」と現状を憂うが、日本シニアオープンで掴んだことがあるという。「若い頃は、あくまでも攻めのプレー。どんな状況でもバーディを狙っていった。最近も集中が落ちてきたら、必死になっていたけれど、もう年だよね。現状を受け入れて、集中力が落ちてきたら、折り合いをつけてプレーする」あくまでバーディを狙うのではなく、自分と折り合いをつけてボギーを叩かないプレーを心がける。「年相応」という言葉は、決してマイナスなことではない。﨑山にとって、現状を受け入れていく強さが、さらなる高みへと登るステップになるかもしれない。
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