5アンダーパーの67をマークした貝田勝之(六甲国際)。第1ラウンドのスタートは10番ホールから。ティーオフは8時のトップスタートだった。吐く息も白くなる晩秋の寒さのなか、序盤の貝田はショットを曲げていた。「朝のうちは寒さが強くて、身体が回らず」左へのミスが続く。12番ではティーショットを左にミスしてバンカーに。そこから2オンを果たすも球はホールから20メートルも離れており3パットのボギー。続く13番ではフェアウェイセンターからの2打目を左に曲げて連続ボギーを叩いてしまった。「ボギーが先行して正直、ちょっと焦った」という貝田を救ったのは14番のパーセーブだった。ここでは3番ウッドでティーショット
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を放ったが、これも左のバンカー。2打目はグリーン奥のバンカーに打ち込んだが、うまくホールに寄せて凌いだ。「このパーが次のパー3に繋がった」という15番。7番アイアンで放たれた球は、綺麗な放物線を描き、あわやホールインワンというスーパーショットでバーディ。続く16番でも下り3メートルのラインを読みきって連続バーディを奪って前半をパープレーで終えた。
良い流れに乗った貝田をさらに調子付かせたのは、時間とともに上がり始めた気温だった。スタート時に身につけていたウィンドブレーカーを脱いでプレーを始めた後半に入ると、1番で残り80ヤードのセカンドショットを2メートルにつけてバーディ。3番と6番は1.5メートル、7番では7メートルを鎮めてみせる。最終9番も2.5メートルを沈めてバーディフィニッシュとした貝田は、7バーディ・2ボギーの67で単独首位で第1ラウンドを終えた。好スコアの要因は、ショットが切れて、短い距離のバーディチャンスを多く迎えたこと。グリーンが大きく、複雑なアンジュレーションが施された鬼ノ城カントリー倶楽部も、「グリーンが凄く難しくて、神経を使いますよ。でもショットが良かったから、同伴競技者のパッティングを見て、傾斜を読んで“自分ならこの強さで打つ”とシミュレーションをしていた」と、笑顔を見せる。さらに今年の関西ミッドアマで「パットがつぶれた」と独特の表現で話すパッティングの不調から6位タイに終わった教訓から、本選手権ではパットを変えて出場。そのパットのフィーリングもグリーンのタッチに合っていたという。
「今日のスコアは出来すぎです」と謙遜する貝田。「僕らの組のキャディが凄く優秀で。ゴルフを良くわかっているし、本当に助けられました」と、感謝の言葉をつなぐ。過去、本選手権では3度10位以内の成績を残している貝田。後を追う歴代優勝者達を引き離し、初の優勝杯を手にすることが出来るか。
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