今年の日本ミッドアマは、優勝経験者が揃って上位につけている。
1アンダーパーで首位と4打差の6位タイでスタートした田中政佳(北六甲)は、2006年大会のチャンピオン。この日は、スタートの10番で残り85ヤードのセカンドショットをサンドウェッジで1メートルにつけてバーディ発進を決めると、14番で6メートルを沈めてみせる。18番はグリーン奥からのバーディチャンスを3パットのミスでボギーとしたものの、今日のボギーはこれ1つで、8番では「下りの順目。8メートルはあったかな」という難しいラインを見事なタッチで沈めた。田中は3バーディ・1ボギーの70でホールアウト。2つスコアを伸ばし、通算3アンダー
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パーで首位と3打差の2位タイと順位を上げて明日の最終ラウンドに臨む。
「今日は、パットが良く入ってくれました」と破顔一笑の田中。逆転優勝がかかる明日は、雨模様の予報に、「この地方は雨が降ると風も強く吹くらしいんです。このコースで風が吹いたら、やっかいなことになります。今日、じっくりと風対策を考えて明日に臨みます」田中が本選手権で優勝を果たした2006年大会は、JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部が舞台だった。奇しくも今年と同じ岡山県での開催。さらに2006年大会も首位と4打差からの逆転優勝だった。ゲンのいい岡山県で2006年大会の再現なるか。
ディフェンディングチャンピオンで連覇とともに大会最多となる4度目の戴冠の期待がかかる田村尚之(呉)は、第1ラウンドの最終18番ホールでダブルボギーを叩いたのが響いて、首位と7打差の29位タイと出遅れた。しかし、そこは実力者の田村。第2ラウンドには帳尻を合わせるかのように、きっちりとスコアを伸してきた。「パッティングが好調だった」という田村は、出だしの10番でバーディを決めると、12、13番で連続バーディ。14番で1つスコアを落としたものの、15番をバーディ、17番でも3メートルをねじ込んで前半で4つスコアを伸ばして追撃体制に入ったかと思われた。後半、「いま、ショットの調子が悪くて…」と嘆く田村は、その言葉通り、なかなかチャンスにつけることが出来ず、8番では「乗せてはいけない面に」2打目を打ってしまい3パット。8番で8メートルのロングパットを決めてスコアを戻すが、9番で再びセカンドショットをミスしてボギー。
6バーディ・3ボギーの69と3つスコアを伸ばして通算1アンダーパーにスコアを伸ばして7位タイに順位を上げた田村だが、今日のラウンドには納得がいかない不満顔だった。「昨日のスコアで残り2日間は68を続けないといけないと思ってスタートした。最後のボギーで69は、ちょっと足りないよね」。昨日の最終ホールでのダブルボギーと今日のボギーが、最近の田村のゴルフの調子を物語っているのかもしれない。「今のゴルフでは、優勝争いなんて…」と話す田村だが、心から逆転を諦めているわけでは決していない。「自分にはよくあることなのだけれど、一晩寝て、明日の朝になったら別人のように調子を取り戻すことがよくあるんですよ。明日、ノーチャンスというわけではないのだから、そういう自分を信じてみたい」粘りが身上の田村のもう一つの顔である爆発力を期待するのは、田村自分自身だ。
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