36ホールの長丁場を戦いぬかなければならないセクショナルクオリファイング。1位タイで本選出場を決めた3人は、懸命なプレーを見せてくれた。
この日、36ホールを通じて好調なプレーを見せたのは、久保谷健一だった。久保谷は前半、10番からの3連続バーディを含む5バーディ・ノーボギーの66。5アンダーパーで単独首位に立つと、後半も最初のハーフで4つスコアを伸ばし、ほぼ本選出場権を決めると、終盤2ボギーを叩いたものの、通算7アンダーパーで1位タイで日本人ただ一人の最終予選からの本選出場権を手中に収めた。今日の久保谷は好調なパッティングでスコアを伸ばしたが、全米オープンは、「テレビで見たことはあるけ
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れど、あれだけのプレーヤーがグリーンに球を止められずに苦しんでいる。相当難しいでしょうね」と、弱気を見せる。それでも、「駄目で元々という気持ちでプレーしたい。できれば、みんなが苦しんで泥仕合のようになればいいかもしれない…」と、まだ見ぬコングレッションカントリークラブでのプレーに思いを馳せていた。
前半のラウンドで1アンダーパー10位タイにつけた金度勲は、「初めてプレーするコースでミスも多かった」と顔をしかめるが、ホールの特徴を掴んだ後半は、ティーショットの調子も復調し、8番でチップインイーグルを奪うなど1イーグル・5バーディ・1ボギーの66をマーク。一気に7アンダーパーにスコアを伸ばして1位タイで本選出場権を獲得した。「全米オープンは初めて。自分のキャリアでも初のメジャー出場になる。自分の夢がかなって本当に嬉しい」と満面の笑みを見せた。
久保谷と金とともに1位タイで本選出場を決めたS.バーは、金の上をいく圧巻のプレーだった。金同様に茨城GCで初めてのラウンドに戸惑いを感じながらの前半のプレーは、3バーディ・4ボギーの72で1オーバーパー、17位タイと大きく出遅れてしまった。バーは思わぬ不出来に、逆に気持ちが吹っ切れたという。「失うものはなにもないので、思いっきりチャージしよう」と心に決めた後半は、10バーディ・2ボギーの63で8アンダーパーをマーク。通算7アンダーパーで自身初となる全米オープンの切符をもぎ取った。
2004年には予選会から勝ちあがって全英オープンにも出場したことがあるハングリー精神を持つバー。「全米オープンでは自分のベストを尽くしたらどこまでやれるかを試してみたい。とにかくベストを尽くすこと、頑張りたい」と2度目のメジャー挑戦も攻撃的なプレーで上位進出を目指す。
最後の一枠を掴み獲ったのは、裵相文。1組目でプレーした裵は、前半を3バーディ・2ボギーの70でホールアウトすると、後半7バーディ・2ボギーと5つスコアを伸ばして通算6アンダーパーで後続を待つ。その裵に4人目の出場権をかけたプレーオフが告げられたのは、最終組ホールアウト後。同じ韓国出身の金大玹が同スコアに並び、10番ホールからのプレーオフがスタートした。その1ホール目。パーをセーブした裵がボギーを叩いた金を振りきった。
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