本選手権5連覇を狙う三木逸子(土佐)が磐石のプレーで偉業達成に王手をかけた。スタートの1番。ティーショットは、同伴競技者より30ヤード以上先のフェアウェイ真ん中、250ヤード地点に綺麗な放物線を描いて飛んでいった。2打目は残り115ヤード。ピッチングウェッジから放たれたショットも1.5メートルについてバーディ発進を決めた。
「昨年、不調に苦しんでいたアイアンを変えて、春先から調子が上がってきた」という三木の言葉通りの切れ味鋭いショットだった。しかし、徐々にそのアイアンショットで球を捕まえきれず、右へのミスが目立ち始める。3番(パー3)ではティーショットを右バンカーに打ち込みボギー。8番で
は、セカンドショットがグリーン奥のバンカーで2つ目のボギーを叩き、前半を1オーバーパーで終える。アイアンがぶれた三木を救ったのは、もう一つの武器であるドライバーショット。他の選手を圧倒する飛距離を誇る三木が、「ほとんど曲がらなかった」という正確性も見せれば、手がつけられない。14番で2.5メートルを決めると、16番ホール終了時点で中断となり、良い流れを止められたかと思ったが、最終18番でホール上からの下りの1メートルを慎重にねじ込んでバーディフィニッシュ。3バーディ・2ボギーの73は出場選手中ただ一人のアンダーパーで2位に3打差の単独首位に立った。
好スコアで大会5連覇に大きく近づいた三木だが、「あと1つか2つはスコアを伸ばせた」と、苦笑いを見せる。それも、日本女子アマなど相模カンツリー倶楽部で3度開催された競技に出場した経験から、「打ってはいけない地点、グリーンは手前からというマネジメントがしっかりしている」から。5連覇の偉業がかかる明日の最終ラウンドへ向け「今日みたいにドライバーショットが曲がらなければ…」と語る三木の笑顔は自信に溢れていた。
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