狭いフェアウェイと深いラフ。難コースとしてしられる相模カンツリー倶楽部で行われた本選手権。出場選手達は、その難しさに苦しめられたが、このコースで戦えたことへの満足感に浸っていた。本年表彰を受けた3人もその思いは、同様だろう。
5打差の2位入賞を果たした大村洋子(春日井)は、2番でボギーが先行したものの、3番でホール左奥から9メートルのバーディパットを決める。4、7番のボギーの後には、8番で残り80ヤードのセカンドショットをピッチングウェッジで50センチにつけるスーパーショットでバーディを奪い、前半を2オーバーパーで終えた。後半も終始安定したプレーで2ボギーにまとめた大村の表情は、充実感に
満ちていた。「2日間、これだけ難しいコースで、このスコアでホールアウトできたことに、自分自身満足しています」晴れ晴れとした笑顔で振り返る大村。「来年も、もちろん頑張りたいです。でも、来年55歳になるのですが、55歳という年齢は、気力と体力がぐっと落ちると言われていて、それを自分も覚悟しています。それをなんとか、今年の状態にキープすること。そうして…」もう一度、優勝争いを演じたいと思っている。
6打差の3位タイに入賞したのは、松本きよみ(下関ゴールデン)と田中真弓(成田東)の2人。最終ラウンドを3打差の2位タイでスタートした松本は、前半ティーショットがラフにつかまることが多く、スコアメイクに苦しむ。3ボギーを叩いて迎えた5番(パー5)で残り60ヤードの3打目をサンドウェッジで80センチに寄せて初バーディを奪うと、8番では8メートルのバーディパットをねじ込んで見せた。9番でボギーを叩いたものの、徐々にショットの調子は取り戻していた。後半、復調したショットを武器に17番まで1ボギーにスコアをまとめていたが、最終18番でティーショットを左にミスしてダブルボギーを叩き、通算7オーバーパーでホールアウトした。「18番のミス。それだけが悔やまれますが、2日間この素晴らしいコースでプレーが出来たことを楽しめましたし、自分なりのプレーを続けることが出来ました」と笑顔を見せた。
田中は、本選手権初出場での3位タイ入賞。第1ラウンドは、初出場の緊張に「プレーをしていて落ちつくことが出来ず、ボギーを叩いたら焦ってしまい…パットもショートばかりで」6オーバーパーの17位タイと大きく出遅れてしまった。しかし、全国大会の雰囲気にも慣れたこの日は、持ち前の飛距離を武器に16、17番の連続バーディを含む3バーディ・4ボギーの75でホールアウトして見せた。平均飛距離250ヤードというドライバーショットが魅力の田中は、パー5で2オンを果たすなど大型プレーヤーの片鱗を見せてくれた。しかし、5番(パー5)での3パットからのボギーと最終18番で「大事にいこう」と消極的になった3打目をミスして、よもやのグリーンオーバーからボギーを叩いた2つのミスを悔やむ。それでも、「初出場で3位タイ入賞という結果には満足している」と笑みを浮かべる。飛距離を武器に大会5連覇を成し遂げた三木の新しいライバル登場を予感させた2日間だった。
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