台風4号の影響は、午後になるほど大きくなった。強風に横殴りの雨。クラブハウスでは「後半スタートの選手たちは、ちょっと気の毒な条件になった」という見方で一致していた。案の定、後半スタートの選手たちはスコアメイクに苦しみ、アンダーパーでのホールアウトはわずか2選手だけだった。
そのひとり、中学2年生の松原由美が、なんと4アンダーの70をマークして驚かせた。今大会では、中学2年生が最年少学年出場で松原と、九州アマ・チャンピオンの勝みなみ。その松原が16番ホールまで5バーディー、ノーボギーの5アンダーで、この時点では単独首位に立っていたのだ。3か月前から使い始めた長尺パターが威力を発揮した。風の
中では長尺タイプは不利との通説も吹き飛ばして次々とバーディーチャンスを決めていった。
惜しかったのは最終18番パー5だった。ティーショットが雨でグリップが滑り、右林の中に打ち込んだ。そこからは脱出するだけ。第3打もグリーンまでたっぷりと距離が残ってしまい、ボギーもやむない流れになってしまった。
「こんなスコアがでるなんて、まぐれですよ」こういって松原は照れた。長尺パター効果は、同じ4アンダーでトップに並んだ村田の27パットの上をゆく24パットという数字が物語っている。小学5年生で初出場して、今大会で4年連続となった。初出場当時より身長は10センチ伸びて163センチ、200ヤードそこそこだったドライバーの飛距離は250ヤードにまで伸びた。
昨年は、1ストローク足りずにマッチプレーに進めなかった。だから、今大会は、まずベスト32にまで進むことが目標だったという。
「きょうのことは忘れて、あしたから初日のつもりでマイペースでやりたい」。趣味は「学校にいくことです」という松原。「だから、学校を休まなければいけない平日の競技はいやなんですけど、がんばります」
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