「これでだいじょうぶですよね?」
なにやらホッとした表情でクラブハウスに戻ってきたのは優勝候補のひとりである城間絵梨だった。昨年の日本ジュニアゴルフ選手権競技(14~17歳の部)の優勝者で今春高校を卒業した。その後プロテストを第1次から受けて2次も通過、7月にはファイナルに臨むことになっている。これが、最後の日本女子アマになる。
「アマチュアとして、悔いの残らない終わり方をしたい。結果はともかく、これまでやってきたことの、ひとつの集大成だという気持ちで、この大会を迎えました」
第1日は、その思いとはかけ離れたラウンドになってしまった。3回の3パットでリズムを乱して、自分のゴル
フができなかった悔しさ…。「だから、きょうは、絶対に自分らしいゴルフを貫いて、とにかくマッチプレーに進む」と心に誓ってのスタートだった。10番からのスタートで、幸先よく下り2メートルのバーディーパットを決めた。12番では右林に打ち込んでダブルボギーを叩いたものの、ここでも「これも自分のゴルフ」と、割り切って動揺はしなかった。ドライバー平均飛距離270ヤード。飛ばし屋で知られる城間にとって、ひとつ間違えれば林に打ち込むこともある。「自分にとっては、想定外のことではありません。でも3パットとなると、ダメージとして残ってしまいます。それだけはやるまい、とそちらには神経をつかいました」
15番で2メートルが決まり、アウトにターンして一気に爆発した。4バーディー。この日4アンダーとして、2日間で2アンダー。「これで、だいじょうぶですよね?」とは、マッチプレーへの進出のことであった。もちろん問題なくベスト32入りを決めていた。
「2年連続ベスト16で終わっているから、今回はもっと先まで進みたいです。予選の2日間を苦しんだ分も合わせて、マッチプレーは思いっきり楽しみたい」
できるだけ長く戦っていたい。それが、城間の偽らざる胸の内だ。
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