1回戦の鴻上ほの花(新居浜)とのマッチは、6番を終えて2downの劣勢から追い上げる展開だった。「バーディチャンスでパットが決まらなくて、自分のリズムになかなか乗れなかった」というのが、この序盤苦戦の原因だった。7、9番を鴻上のミスと自らのバーディでとってオールスクウェアでの折り返し。ここからは比嘉のペースで10番パー5のバーディで1upとしたあとは、ひたすらパーを重ね、1upのまま迎えた17番をとり、2and1での勝利となった。
永峰咲希(宮崎大淀)との2回戦を前に雨足の強くなったコースを見ながら、比嘉は考えていた。「この状況では、バーディ合戦というより、確実にパーを重ねていくゴルフを
していく方がよさそう。1回戦の流れを、そのまま持ち込んで無理しないようにしよう」。
4番パー3で5メートルを沈めて1upにすると、そこから4ホール続けてパーにまとめた。この間に永峰が2ボギーを叩いて3upとなっていた。後半もパーを続けてそのまま3and2での勝利。この流れは、スタート前の読みどおりであったかもしれない。
この大会、比嘉の眼中には連覇しかない。それ以外の結果は考えることなく、ひたすら前進しているように見える。「とにかくアマチュア最後の試合なので、悔いのないように、というより最高の勝ち方をして締め括りたい。その思いしかありません」
大いなる刺激を受ける出来事があった。プロトーナメントであるサントリーレディスでの韓国女子アマチュア選手キム・ヒョンジュの大逆転優勝だ。16歳での史上最年少優勝は最終ラウンドの11アンダーパー・61という日本女子ツアー史上最少スコアから生まれた。
「レベルの高いゴルフですよね。私も、あそこまで自分を鍛え、磨き上げなければいけないと思います」
「プロ入りして、早い時期に賞金女王になり、米女子ツアーで戦う」という近い将来への希望も具体化している。その前に通過しておかなくてはならない区切りの試合、それが日本女子アマと位置付けて臨んだ大会だ。メダリストから連覇へ。ここまでは比嘉自身がいう「最高の勝ち方」に向けて順当に駒を進めてきた。
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