先に2年連続の決勝進出を決めたのは比嘉真美子(カヌチャ)だった。準々決勝で鬼頭桜(美濃加茂高校)をくだした後、準決勝の相手が決まるまでにかなり時間があった。保坂真由(東松山)と田口晴菜(熊本空港)戦の勝者が準決勝での対戦相手になることになっているのだが、こちらのマッチが18番ホールにまでもつれこんでいた。
待ち時間、比嘉に焦りも、苛立ちも、間延びして気が緩むこともなかった。早めの昼食を済ませ、応援に駆け付けてくれた人たちと無心におしゃべりして時間を過ごしていた。「この大会は、連覇することしか考えていないので、長丁場の戦いになることは覚悟していましたから、待つのも、その流れのひとつです。だ
れがきても、なにがあっても、自分には自信しかありません」。
準決勝の相手が決まった。高校2年生の保坂だった。2、3番を連取して2up。8番のバーディで3up。あとは分け続けて結局1ホールも落とすことなく3and2ですんなりと決勝に駒を進めた。目標として絞り込んでいた連覇に大きく近づいた比嘉は、こともなげに言ったものだった。
「やっと、ここまできた、という思いですか? ありません。ずっと決勝で勝つことしか頭にないので、いまの心境としては“あとひとつ”ですね。雨の影響で下がぬかるんでいる状態なので、ちょっと足に疲労がきている気がします。クールダウン、ストレッチをいつもより長くして、疲れをとってあげないといけませんね。決勝は36ホールで技術よりも体力勝負になると思っています。ええ、昨年の経験から明言できます。その体力には自信がありますし、初優勝した昨年よりも、100ヤード以内のショットが上達したし、ミスを引きずらないで、すぐに次の1打に集中する気持ちの切り替え方も覚えました。自分に(連覇に向けての)死角はない。はっきりと、そう言い切れます」。
メダリストでマッチプレー進出。そのマッチプレーも、ここまですべて危なげなく勝ち続けてきた。横綱相撲をとっている感がある。まさに「あと、ひとつ」に迫った。
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