保坂真由(東松山)と松原由美(朽木)の対戦となった3位決定戦。昨日の準決勝敗退の悔しさを胸に臨んだ両者のマッチプレーは、エキストラホールに縺れ込む大熱戦となった。
先にリードを奪ったのは保坂。スタートの1番で2メートルのバーディパットを沈めると、続く2番では松原がボギーを叩き、2up。その後は松原も5、6番の連続バーディでオールスクウェアとし、序盤から両者のプライドをかけた目を離せない展開となった。しかし、この日ショットが好調な保坂が徐々に試合のペースを掴む。8番で7メートルの上りスライスラインを「読みどおり」に打った保坂がバーディを決めて再びリードを奪うと、10番を取られたが、11番で
残り110ヤードのセカンドショットを1.5メートルにつけてバーディ。12番も相手のミスでリードを広げて、14番では85ヤードの3打目をサンドウェッジで1.5メートルにつけて3upまでリードを広げる。
追い詰められた松原だったが、ここから脅威の粘りを見せる。16番で8メートルのバーディパットを沈めると、17番で2メートルのバーディを決めて2人は18番ホールに戻ってきた。このホールを引き分けても負けてしまう松原は、3打目を右ラフからグリーン手前に運ぶ。一方、このホールで引導を渡したい保坂はフェアウェイから残り110ヤード。ピッチングウェッジでグリーンを狙ったが、ホールまでは10メートルの距離を残してしまった。グリーン手前からの松原のアプローチ。「正直、ドキドキだった」という松原だったが、あわやチップインかと思わせる完璧なラインで保坂からコンシードを受けて、保坂のバーディパットの行方を待っていた。10メートルのバーディパット。2パットで収めれば3位が決まる保坂も、松原同様「16番からの松原さんの追い上げが凄くて…焦りました」と言い知れぬ緊張に包まれていた。その結果、ファーストパットが強く入り3メートルもオーバー。返しのパットは打った瞬間に歩き出すミスで、両者の争いは18ホールで決着がつかず、エキストラホールに持ち込まれた。
その2ホール目、通算20ホールとなる2番で2オンした保坂がパーをセーブし、決着。熱戦の幕は下りた。3位入賞を果たした保坂は疲労困憊の表情でクラブハウスに引き上げてきた。「18番を取られて流れが悪くなっているとは感じていましたが、パーをセーブし続けようと気持ちを切り替えてプレー出来たのが良かった。本当に辛い戦いでした」と苦笑い。「目標のベスト8を達成できたので、満足です」と最後は満面の笑みを見せた。
一方の松原も、持てる力を出し尽くしての4位に「自分がボギーを打ってしまって悔いが残る。保坂さんがたくさんバーディを奪って、きつかったです」と表情を曇らせた。「でも、最後まで諦めずにプレーできたのは良かったです。特にプロツアーに出場させてもらって、長いラフを経験できて、それが活かせたことも」と、多くの収穫も得た。
高校2年生の保坂と、中学2年生の松原。ともに次代を担う逸材が、死力を尽くした3位決定戦は、決勝戦とは違う見ごたえと爽やかな印象を残してくれた。
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