クオリファイングラウンドの2ラウンド、マッチ・プレーに入ってからは68ホール。森田遥(坂出)が決勝までに費やしたホール数は、実に104ホールに及んだ。特にJGAナショナルチームメンバーの堀琴音(兵庫県連盟)との準決勝は女子アマ史上最長となる23ホールに及ぶ激戦を演じている。それでも、森田は、比嘉真美子(カヌチャ)との争いを「1ホールでも長く戦いたかった」という。
36ホールのマッチ・プレーで争われる決勝戦。森田は2番で8メートルのバーディパットを沈めて幸先欲1upとすると4番も取り2up。しかし、本選手権連覇を狙う比嘉は、焦ることなく5、6番を連取してオールスクウェアに戻すと、冷酷なまで
に落ち着いたプレー振りで森田を突き放しにかかる。9番を比嘉が奪って決勝戦で初の1upとなると、前半18ホールを終えて、比嘉は3upまでリードを広げた。「やはり、体力的にはきつくて、ショットがぶれてしまって。それに、比嘉さんは距離も出るし、パー5は有利ですよね。正直、少し厳しくなったな…とは思いました」というのは、前半を終えた森田の言。
その言葉通り、後半の9ホールを終えた時点で、比嘉は森田との差を5upまで広げて、大会連覇にカウントダウンが始まった。後半の9ホール。森田は、「1ホールでも多くプレーしたい。その一心でした」と脅威の粘りを見せる。得意のパッティングが、ここに来て決まりだすと、絶対王者の風格すら漂わせている比嘉もショットを乱し、15、16番を森田が取り返して、比嘉に食らいつく。しかし、森田の熱意も17番で燃え尽きた。終わってみれば、2and1での敗北。
「比嘉さんは、凄く強いことを知っていました。今日、一緒にプレーしたのは初めてでしたが、比嘉さんの飛距離、ミート率、ラフからのショットの精度…全てが勉強になりました」と、彼我の差を認めざるを得ない完敗だった。「あと少しでオールスクウェアに持ち込めたのに…悔しい」と、本音を吐露する森田。「今年、決勝まで来られたことは、たまたまだと思っています。今年の結果が来年につながるか…きついと思いますけど、来年に向けて、力をつけて頑張りたい」敗北を喫して知る自分の力量。それを客観的に分析できる目が、森田をより強くさせ、再び決勝の扉を開けさせるだろう。
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