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日本アマに出場する10~20代の選手たちの肉体的成長度は、目を見張る。この成長期に、彼らはトレーニングや食事を工夫して、肉体を鍛えている。
富村真治(東北福祉大)もその一人だ。
身長175センチ。昨年のこの大会では70キロの体重だったものを「オフの12月から、1、2、3月と地獄のトレーニングと食事」で肉体改造した。
3年前の日本アマでベスト8となったときは17歳。そのときはやせ細った少年という感じだった。それが毎年この大会に出てくるたびに成長していったけれど、今回の「10キロ増」は、逞しさを感じる。
「(東北福祉大の)寮は、自炊なんですよ。ですから、自分で食材を買い込んで、例えば、冷凍のチキンステーキを2キロとか買ってきて、それを解凍して料理します。主に、タンパク質、低カロリーを心がけてメニューをつくり料理しました。うまくなりましたよ、料理も(笑)」
それに加えてのトレーニングである。重視したのはもちろん下半身だ。太もも、お尻は「ズボンがパンパンになりました」というほどになった。
その効果は、てきめんに表れた。
「春先は、飛び過ぎてゴルフがおかしくなったんですよ」
特にドライバーの飛距離よりも、アイアンの効能があった。
「間違いなく1番手は(距離が)違いますね。それよりも、もっと嬉しいのは、重いボールが出るんです」と富村は言う。
この日、10番ホールからのスタート。
10、11番といきなりバーディだ。さらに15番をとり3アンダーパー。
「昨年は、(予選通過の32名の)プレーオフで敗れたんです。だから今年こそはと…」
ピンチらしいピンチは、18番だった。ラフからの第2打がフライヤーしてグリーン奥のバンカー。「絶対寄らないかも…」というバンカーからうまく寄せてパーで切り抜けた。
「後半(アウト)になって、1番から7番までは、チャンスがあったりしたんですが、ともかく気持ちをフラットにして無理をしないように、マネジメントさえしっかりしていれば(強い雨で)グリーンも止まるし、フェアウェイキープを心がけてプレーしていました」。
その後、チャンスは訪れた。
8番(パー3)。182ヤードを「6番アイアンでライン出しをして」1メートルにつけてバーディ。昨年なら同じ状態で、6番アイアンでしっかり振る場面だったという。
9番(パー4)。右カラーから9メートルを入れて、この日、5バーディ・ノーボギーで67とした。
「勝ちたいですね」と言った。そして、日本オープンにも出場したい。それは「地元(沖縄)開催の大会ですから…」富村は、身体だけでなく、心も、ゴルフも大きくなっている。
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