カットラインがいくつか、どのスコアで32名に絞るプレーオフになるのか…。クラブハウス前にある小さな順位速報ボードを選手や関係者が取り囲んでざわめいていた頃。午後スタートの最終組の選手たちが、ホールアウトしてきた。注目は、カットライン上のスコアと人数だったのだけれど、溌剌とした顔で上がってきたのが、小浦和也だった。
今年の九州アマ4位で日本アマに出場した選手である。1日目に69をマークして、2日目は、10番からスタートして、前半は3バーディ・2ボギー。通算4アンダーパーで折り返した。
その時点で「あと2つ」縮めたいと思ったという。
「ちょうどハーフをターンするときに、速報ボードで富村さんが
6アンダーパーで首位と分かっていましたので、なんとかそのスコアにしたいと思いました」
小浦は、後半は守りのゴルフではなく、むしろ攻めのゴルフを選んだ。
1、2番でバーディ。3番でボギー。これで通算5アンダーパー。あとひとつ、という気持ちは崩さなかった。
6、8番でバーディをとり、ホッとしたのか9番でボギー。それでも目標の通算6アンダーパーだった。
「昨年のこの大会は、マッチに進めずに2日間で終わったんです。それから自分に足りないと思った体力、主に、体幹を鍛えるトレーニングをしました。シーズン中は、毎日1時間。オフは3時間ぐらいでしたけど、かなり体のコアがしっかりしてきました」
トレーニングは、自体重でのもので、その結果「スコアの大崩れがなくなってきたことと、ドローからフェードに変えて球筋など安定度が増したこと」の効果があったという。
結果、今年のメダリストは、2日目、朝7時のトップスタートの富村と、午後12時28分の最終組スタートの小浦、二人のメダリストとなった。
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