日本アマ出場選手の若年化は、年々進んでいる。つい4、5年前までの出場選手の平均年齢は、27.40(2007)歳、28.11(2008)歳だったのだが、昨年は23.80歳。今年は、23.83歳である。
今年の最年長者は、昨年度日本シニアチャンピオンの白井敏夫で、64歳(1948年5月23日生まれ)。いまや中学生5名を含め10代の選手は、69名とほぼ半数(138名出場)である。
田村尚之は、この6月24日で48歳になったベテラン選手。2007年日本アマでは、ランナーアップ。2005、2006年はセミファイナリスト。そして1994年には日本オープンのローアマチュアに輝いている。当時は、サラリ
ーマンで有給休暇をとって試合に出場していて話題となった。
けれども、ここ数年は、日本アマでマッチプレー進出を逃していた。
2日目…。ホールアウトしてきた田村は、右手の親指と人差指で小さく◯をつくった。
「いやー、オリンピックイヤーですかね」と、小さく微笑んだ。
確かに田村が最後にマッチプレーに進出したのは、2008年大会でベスト16だった。
「これまで2日間の予選で、どっちかが悪くて、どっちかがいいというちぐはぐなゴルフだったんですけど、今回は(71・70と)、それがなかった。体調、仕事など、さまざまなことが安定してきたからかも知れません」
今年、中国アマで田村は2位となっている。
「あの4日間、72ホールの戦いの経験が、良かったのだと思っています」と言った。
年齢を重ねるごとに、試合に臨むにあたって、処理しなければいけないことが、どんどん増えてくる。体調管理から始まって、若い頃には思いも寄らないことでも、きちんとひとつずつ解決してゴルフを整えないとうまくいかないからだ。
「僕の持ち味は、パッティングでの粘りです。明日からは、それを活かして…。(年齢的に優勝を狙える)最後のチャンスかも…」と、ポツリと呟いた。確かに、日本アマの最年長優勝者は、1955年の三好徳行で43歳。田村がもし勝てば、大幅に最年長記録が更新できる。
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