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競技報告
【父親と二人三脚で優勝を目指す小袋秀人がベスト8に】
第3日 競技報告:三田村昌鳳 写真:Gary Kobayashi
小袋秀人
不器用は、武器になる、と言ったプロゴルファーがいた。
自分の弱点を、どうしたら武器に変えることができるか、というのもゴルフゲームに大切なファクターだ。それに不器用だと思っているからこそ、それを補い、自分を堅固にできるというのだ。
小袋秀人は「マッチは苦手なんです。どうもメンタル面が弱いんですね」という弱点があったという。ちょうど2年前の日本アマでメダリストに輝いてマッチ1回戦で敗退している。身長182センチと体格に恵まれて平均飛距離300ヤードと言っていた。日大ゴルフ部に籍を置いていた。
「振り返ると、相手のプレーを気にしすぎて、それに左右されながらプレーしていたんですね」…それがこの2
富村真治
年、ベスト32でとどまる敗因だったと分析している。
「今日の1回戦でも、今年こそはって気負いすぎて、自分で自分のゴルフを空回りさせていたと思います」
その空回りから、ふと我に帰ったのは、17番を終えて1downし、相手の徳山雄大が1メートル弱のパットを外してオールスクウェアに戻したときだった。
エキストラホール。自分に運がある、と信じた。すると弱気の虫も、消えた。
結局、20ホールまでもつれ込み小袋は、左バンカーから10センチにつけて1回戦の壁を破った。

2回戦は、メダリストの富村真治との対戦だった。
「僕は、今年の春に日大を辞めさせていただいて、今年のQTを目指すべく、父親ともう一度しっかりと2人3脚でやっていこうと思ったんです。富村さんは、僕よりも1年先輩で大学は違いましたが、とても仲良くしてもらっています」
2回戦のマッチが始まるまで、30分の休憩があった。そのときに小袋は、もう一度自分を振り返った。
「1回戦では、自分を見失っていたことに(ゲームをつくれない)原因があったわけで、2回戦では、自分のメンタルが弱いんだと自分で認めて、その中で、どう作っていこうか、という気持ちになれたんですね」つまり、自分のゴルフを見失わないことを重視した。
1番は富村が奪取。すかさず2番で小袋が取り返す。
それもグリーンを外し奥からの難しい状況で、チップインで勝ち取った。小袋は「難しすぎる状況だったから、逆に開き直れた」と言った。
富村は「小袋がいいゴルフをしていて、自分がホールをとってもすぐにとり返してというのが続いて、自分がうまくチャンスを作ることができなかった」と語っている。
悔しいという気持ちが、富村のプレーの後半に出てしまったのかも知れない。「自分が不甲斐ない。チャンスを作れなかった」。
そこでオールスクウェアに戻し、今度は小袋が先制する。4番で1up。5番で2up。6番で3up。7番で獲られて2upで折り返す。
さらに11番で3up。そして12番で、富村が取り返す。2up。
残り13番からのホールで、なんとか流れを引きこもうとする富村。逆に、小袋は、12番を獲られたことで、落ち着いてプレーできる状況ができた、と思ったという。
「実は、13番から18番までが、ストローク・プレーのときから苦手で、2日間でダブルボギー1つ、ボギーが5つだったんですよ。ですから、富村さんがオナーで最初に打つわけですから、それを見て、自分はミスしても安全なところへとか、敢えて無理しないとか、攻め方を見定めることができたんですね」
それがメンタルが弱い小袋の勝負の流れを、それなりに作っていくひとつの方法だった。
2upのまま、ずっとお互いに分けが続く。小袋は、ボギーも叩かずに、ずっとパープレー。
富村は、最後のチャンスにかけた。それは17番だった。
「7メートルのパーパット。それを自分が沈められれば、まだ先に行けるかも知れない」と思って沈めた。けれども、小袋も、しっかりとパーでまとめて2and1でベスト8に進出した。
「父親に感謝です。今年で最後の日本アマになりますので、どうしても父親と一緒に戦いたいとキャディをしてもらったんです。自分がカーッとなったり、弱気になったりするのが気配で解ると、ちゃんとアドバイスしてくれました。ここまで来たら、(優勝を)狙いたいですね…でも、親父(和浩さん=49歳)の体力が心配なんですよ(笑)」
大学に進学したときは「(ゴルフ部の)仲間もいるし、もう恥ずかしいから、キャディはやらなくていいよ」と言った小袋が、親子二人の2人3脚で今年最後になる日本アマのチャンピオンを目指している。

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