またもベスト16の壁を打ち破ることは出来なかった。
松山英樹は、マスターズのローアマチュア、三井住友VISA太平洋での史上3人目のアマチュア優勝、アジアアマチュア選手権の日本選手初優勝と史上初の大会連覇。誰もが成し得なかった実績を積み上げて来た。日本アマチュアゴルフ界最強といっても過言ではないだろうし、誰もその言葉に異論を挟むこともないだろう。それでも、日本アマチュアゴルフ選手権で優勝杯を手にすることが出来ない。
昨年、三好CC・西コースで行われた日本アマでは、周囲の期待通りメダリストを獲得したが、マッチプレー2回戦で東北福祉大学の後輩、古田幸希に苦杯を喫してベスト16。そして今年も順当に
マッチプレー進出を果たし、1回戦では杉下圭史を5and4の大差で下して、2回戦に駒を進めた。その相手は、JGAナショナルチームの後輩でもある小西健太。ナショナルチームの合宿などで小西の強さは、わかっている。それだけに苦しい試合になることも覚悟していただろう。ふたを開けてみれば、やはり厳しい展開が松山を待っていた。チャンスにつけながらもパッティングが決めきれない。冷静にプレーを続ける小西が徐々に試合の流れを掴むと、松山にそれを阻むことが出来なかった。2and1。今年もベスト16で姿を消すことになってしまった。
ストローク・プレーの第2ラウンドから変調をきたしたパッティングが、最後まで松山を苦しめた。「昨日よりも入れることは出来なかったけれど、良いパッティングは出来ていた。決めるべきところで決めた小西選手と、それが出来なかった自分。その差が勝負を分けました」悔しさを押し殺し、淡々と言葉を継ぐ松山。この後、松山は全米アマへの挑戦が控えている。日本アマに先駆けて、全米アマの優勝杯を掲げられるか。数多くの実績と、それと同じほどの悔しさを知る松山なら…という期待は、しぼむことはない。
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