4バーディ・2ボギーの70。2アンダーパーでホールアウトした勝みなみ(鹿児島市立長田中学2年)は、どこかほっとしたような表情を浮かべていた。「このところ、ずっとオーバーパーばかりで、アンダーパーが出ていなかったんです。(優勝を)狙っているこの大会でアンダーパーがでて、すごくうれしい。いいスタートが切れました」
練習が不足していたわけではない。夏休みに入ってから平日は朝からゴルフ場にいって午前中に18ホールをプレー。昼食をとって、持ち込んだ宿題に取り組み、そのあと30分ほどパッティングとショット練習して帰宅するスケジュールを続けてきた。課題があった。日本女子アマチュアゴルフ選手権競技の後、
新しくしたドライバーで調子を崩してしまったというスウィングの矯正だ。「それまで9.5度(ロフト)のものを使っていたのですが、飛距離を欲張って8.5度のものにしたんです。それで強振を続けていたら、ボールが右に飛び出していくようになってしまって…。アイアンショットは逆に左に。スコアメイクできなくなってしまいました。それで、クラブも元に戻し、スウィングも思い出そうとして練習を続けました。1週間ぐらい前に、なんとかスウィングのリズムとかタイミングを取り戻せた気がしました。(今大会に)間に合ったかな…。そんな思いで、この大会に臨みました」。
スタートの1番ホール。ティーショットが左ラフに飛び込んだ。でも、スウィングを崩していたときに多発したプッシュアウトではなかった。第2打はグリーンオーバー。アプローチショットで2メートルに寄せたものの、このパーパットがはずれてボギー。ボギー発進は、オーバーパー続きだった最近のパターンで、そこからペースをつかめずに終わってしまうゴルフの繰り返しだったという。今回は違っていた。ミスの内容に納得できたからである。気落ちすることもなかった。集中も切れなかった。4番パー3のバーディでパープレーに戻すと、6番パー4ではフェアウェイからピッチングウェッジでの第2打をピン手前40センチにつけてアンダーパーに。そして後半にターンしてからも1ストローク伸ばしての70だった。
昨年の悔しい思いが残っている。結果は3位だったのだが、本人は優勝を逃した気分でいた。それというのも、逆転優勝が見えた第3日がプレー終盤になって雷雨で中断、そのまま中止決定で2日目のスコアが最終成績となってしまったからだ。「だから、今大会は第1ラウンドから積極的にプレーして、走り続ける。どこで中断、中止になっても、そのときトップにいられるようなゴルフをすると自分に言い聞かせてきました。一時はゴルフを崩してしまいましたが、それも矯正できたので、狙いどおりのゴルフができる状態になったのだと思いますし、実際にアンダーパーでスタートできたので、自信も取り戻せました」
この好スタートは、昨年のリベンジに向けての序章であるようだ。
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