早朝のドライビングレンジ。大里桃子(南関町立南関中学2年)は、ショットのたびに首を傾げていた。「引っ掛けが多くて、それを意識すると今度はこすって右に。とにかく狙ったところにまっすぐ飛んでくれないんです。ダメだ、こりゃ。すっかり諦めムードになっていたんです。こうなったら、どんな状況になっても、その場で自分ができるベストのプレーを続けるしかないや。そんな思いでスタートホールに向かいました」。
スタートの10番は144ヤードのパー3。いきなり不安いっぱいのドライバーではなく、手にしたのは7番アイアンだったが、やっぱり引っ掛かった。グリーン右端に近いところに立つピンに対して乗ったのは左端。15メ
ートル以上はありそうなスライスラインだった。これが「入っちゃって」思いがけないバーディでの発進となった。
13番では、ドライバーショットが左林に飛び込んだ。ボールは木の真後ろ。横に出すしかなかった。第3打もグリーン右ラフにはずしたが、ここから寄せてボギーにとどめた。焦りはなかった。朝の練習で「こんなこともあるだろうな…と、予想できましたから」。
15番、18番とラフからのショットをピン筋に決めて前半は34。後半にターンしてからも、相変わらずドライバーショットは乱れていたが、その後の処理が決まった。5、8、9番と3バーディを奪って、こちらは33。ホールアウトしてみれば6バーディ・1ボギーの67という自己ベストタイになる好スコアになっていた。2日間通算では、3アンダーパーでトップタイに急浮上していた。168センチの長身。ポテンシャルは高い。飛ぶけど曲がる。「ずっとそんなゴルフでしたけど、ここ1年ぐらいでずいぶんリカバリーできるようになりました。それが成長したところかな…って自分では思っています」。
最終ラウンドに向けて心掛けることは…「とにかくベストを尽くせれば、それでいいかな…。パープレーを目標にします。どんなショットが出ようが、そこからまた自分のできることを確実にやる。それの繰り返しになると思いますので」。
自分の現状を受け入れながら、迎えた状況で自分のできることをやり切る。大里はトップタイにも冷静に自分と向き合っていた。
|