日本女子アマチュアゴルフ選手権競技で中学生選手としては最上位のベスト4となった松原由美(大阪市立白鷺中2年)が、前評判通りの実力を発揮して3日間通算6アンダーパーで初優勝を果たした。
最終組でのスタートとなった最終ラウンドは、通算3アンダーパーで並ぶ大里桃子(南関町立南関中2年)との対決。実はこのふたり、前週の全国中学校ゴルフ選手権でも第2日に同スコアで最終組で対決している。同選手権は結局雨で第2日が中止となり、第1日の成績が最終結果となったため、トップを分け合ったいきさつがある。負けず嫌いの松原は「できればプレーオフをやらせてもらいたかった」と振り返る。
いわば、この日は、全国中
学校ゴルフ選手権の延長戦のような展開になったわけだ。静かな立ち上がりから、先にボギーを叩いたのは松原だった。5番(パー5)でグリーンを狙った第2打がバンカーにつかまり、そこからグリーンオーバーしてのボギーだった。続く6、7番では、大里が連続バーディを奪い、この段階で両者には3ストロークの差がついた。
「正直なところ、ちょっと焦りました。でも、ゴルフの内容は悪くなかったので、自分に流れを引き戻すきっかけが欲しかったです」それが、8番ホールで来た。第2打を1メートルにつけるバーディ。さらに9番(パー5)では4メートル、10番(パー3)では6メートルと立て続けにパットが決まって、なんと3連続バーディと逆襲した。この間に大里も9番をバーディにしていたから、10番を終えたところでの両者の差は1ストロークになっていた。11番はともにボギー。そこから14番まではパーが続き、1打差のまま迎えた15番を迎える。実は、この間に松原が大里に並ぶ絶好のチャンスがあった。12番(パー4)だ。第2打を70センチにつけていた。このバーディパットをポロリとはずしてしまった。
さて、1打差のまま迎えた15番(パー4)。松原がまたバーディチャンスを作った。第2打をピン左奥3メートルに。今度は落ち着いて決めた。これで大里に並んだ。勝負は残り3ホールにと移っていった。そして意外な展開になる。
大里が連続ボギーで脱落した。代わって1組前でプレーしていた橋本千里(名古屋市立萩山中2年)が、最終18番パー5を3Wで2オンし、イーグルパットを決めて通算5アンダーパーにしてホールアウトした。この段階では、松原に並んでいたのだ。
松原の18番、ティーショットはフェアウェイをとらえた。ピンまで185ヤードの第2打。ユーティリティー4番で狙う。グリーンをとらえた。これを2パットのバーディに仕上げて念願の初優勝をその手につかみとった。
「苦しかった。やっと勝てた、という感じです。18番では、橋本さんが5アンダーパーになっているなんて知りませんでした。知っていたら、すごく緊張したと思います。大里さんとは2打差になっていましたけど、あそこは、最後まで自分のプレーをやり抜こうと思っていました。パーでもいいか…なんて考えていたら、プレーオフになっていたかもしれません。気を抜かないでよかった。うれしい」。
まだ2年生。来年は連覇をかけての戦いとなる。「それなんですが、今年の2年生はみんな強いので、自分もよほど頑張らないといけないと覚悟しています」。
確かに上位を2年生がずらりと占めた。この学年、この先も激戦を繰り広げそうだ。
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