今年の関東学生を制した黒宮幹仁(日本大学3年)は第1ラウンドを1アンダーパーで終えて「正直、出遅れた」と感じていた。首位が6アンダーパーで松山と長谷川。
アンダーパーには30人がひしめく中で、優勝を狙うには…というところだろう。しかし、「関東学生が終わってから練習不足で…昨日は恐る恐るプレーした」というのだから、昨日の不出来も仕方ないのかもしれない。今日の黒宮は、「スタート前には明日の第3ラウンド進出がかかっていて、どうなるかと」という不安のなかでティーオフとなったが、その不安は出だしで杞憂に終わる。
1番(パー5)で幸先良くバーディを奪うと、2番で4メートルのフックラインを決める
。続く3番(パー3)も6番アイアンでのティーショットを1メートルにつけて3連続バーディ。「スタートから3つ獲れて、安心できたし、そのあとも集中してプレーが出来た」と波に乗る。5番で120ヤードの2打目をピッチングウェッジで1メートルにつけてスコアを伸ばすと、9番こそティーショットのミスからボギーを叩いてしまったが、前半を4バーディ・1ボギーの3アンダーパーとした。「全体的にショットの調子も上向きだったし、ティーショットのミスも9番の1ホールだけ」と完璧なプレーで後半に向かった。
10番では残り35ヤードのアプローチを直接決めるチップイン・バーディ。12番(パー5)も計算通りスコアを伸ばしてみせる。だが、ここから夏の酷暑が徐々に黒宮の集中力を削いでいった。13番で2打目をグリーンオーバーさせてボギーを叩くと、16番もボギー。特に残り3ホールでは風も強まり、「風が巻いていて、アゲインストなのかフォローなのか…掴みきれなかった。
セカンドショットの距離感もわからなくて、慎重にプレーした」というが、それが奏功したのか17、18番で連続バーディを決めて、5アンダーパーの67でホールアウト。この日のベストスコアで一気に首位と4打差ながら2位タイに順位を上げた。関東学生に続く優勝のチャンスも目前となったが、「明日も、ゆっくり落ち着いてプレーします」と色目は見せない。
まずは、優勝争いに加わるために明日も最後まで集中を切らさずプレーすることを第一に考えている。ジュニア時代から頭角を現し、優勝の期待がかけられてきた黒宮だが、JGA主催競技での優勝は未だにない。このチャンスを活かし切れるかは、明日のプレーにかかっている。
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