「松山はどう思っているかはわからないけれど、自分はライバルだと思っている」そう話す梅山知宏(東北福祉大学3年)は、最終組でライバルと目する松山とのプレーとなった。
梅山自身が望んでいた直接対決は、梅山の完敗に終わる。スタートから好調だったのは梅山だ。1番バーディ発進を決めると4番で3メートルのバーディパットを沈める。チャンスにつけながらもパットに苦しんでいる松山がスコアを伸ばせずにいる中で、梅山が一気に差を縮めるかと思われた。
しかし、9番で梅山にピンチが訪れる。2打目は木がスタイミーになり「スライスをかけようと」スウィングしたが、ラフからのショットは思うように曲がりきらずグリーン
をオーバー。寄せも上手くいかずこのホールで5オン・1パットのダブルボギーを叩いてしまう。それでも一矢を報いようと、後半も10、12番でバーディ。13番では残り161ヤードの2打目を8番アイアンで30センチにつけるスーパーショットを見せて3つ目のバーディを決めた。
しかし14番で9番と同じようにインテンショナルスライスをかけきれずにボギーを叩いて、万事休した。「9番のダブルボギーが痛かった」搾り出すように溢した梅山。「4日間、調子も良くない中で、ここまで出来たことは自信になる。でも…」一瞬言葉を飲み込んで続けた言葉は、本心だろう。「1日ぐらい松山に勝ちたかった」自らがライバルと定めている相手は史上10人目の連覇を成し遂げた。
また、本調子ではない中で4日間60台のスコアを叩きだし、大会史上最少ストロークとなる19アンダーパー(2011年大会の松山自身の通算17アンダーパーを更新)する圧倒的な強さを見せた。その強さを知っているからこそ、梅山は悔しがる。その悔しさを胸に、「来年こそ、リベンジしたい」と前を向く。
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