昨年大会で終始試合を優位に進めながら、最終ホールでダブルボギーを叩きプレーオフの末、白井敏夫に優勝をさらわれた松本新語(久米)は、リベンジがかかる今年の大会で首位と1打差の2位スタートと好位置につけた。スタートの1番ホール。ティーショットは右にプッシュアウトのミスをパーで凌ぐも、「前半は風が強くて。途中はアゲインストの風になると、140ヤードを4番アイアンとか5番アイアンで打たないといけなくなって…2番手は違う」と言うほどの強風に対応しきれず、前半のバーディは3番の1ホールのみで、5ボギーの39と苦戦した。しかし、そこは実力者。後半に入ると、11番(パー5)を皮切りに13番(パー3)で8番アイアンのティーショットを2メートルにつけ、14番では1.5メートルを沈めて連続バーディ。圧巻は17番(パー3)。ティーショットはグリーンを外したものの、そこからパターでチップインバーディを決めて、後半だけで4バーディを奪ってみせた。
「前半はドライバーも右へのミスがあったり…悩みながらプレーしていたけれど、後半はうまく調整できた」と好スコアに笑みを見せる松本。周囲はどうしても昨年の雪辱をと水を向けるが、松本自身は「昨年のことは、しょうがないですよ」と、リベンジという意気込みは薄い。「もう吹っ切れている」と優勝よりも、狙うは本選手権5位以内に与えられる来年のシニアオープンの出場資格だ。「あのセッティングでプレーできる機会を、この試合で得ることを一番に考えている」という松本。そのためにも、好位置で終えた第1ラウンドに「まずは良いスタートが切れた。明日も大事にプレーしたい」と、状況に応じた柔軟なプレーを誓った。
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