2006年大会以来の四国開催となった本年の日本シニアゴルフ選手権は、地元出身選手の活躍が目立っている。その一人が首位タイに並んだ羽藤悟志(タカガワ新伊予)。羽藤はスタートの1番(パー5)で、いきなり30ヤードのアプローチを直接決めるチップイン・イーグルで気分よくプレーを開始した。しかし、好事魔多し。「あのイーグルで気持ち良くスタートしたら、中だるみしちゃって」と4、5番で連続3パットのミスで貯金を吐き出すと、6番もボギーを叩いてしまう。それでも7番で再びアプローチを寄せてバーディを奪ってイーブンパーで前半を終える。後半は11番(パー5)で「2打目地点でどうしようか悩んだけれど…」と逡巡しながら
「いってしまえ」と狙ったセカンドショットがグリーン周りの池の水面に波紋を残し、ボギー。しかし、ここから羽藤の粘りが始まる。集中を切らすことなく迎えた16番(パー5)では、「ここは冷静に3打目勝負」が奏功しバーディを奪った。最終18番では「厳しいパットだった」という2メートルの下りのスライスラインをねじ込んで「あのパーセーブは大きかった」と自画自賛。このパーパットで、明日の最終組でのプレーが決まった。その組み合わせは、首位タイに並ぶ松本新語と1打差で後を追う2009年大会優勝の諏澤一。この3人は昭和29年生まれの同期。「正直、同学年だけの組み合わせはやりづらい」と、苦笑いの羽藤。「イーブンパーで終われれば優勝でしょう。でも、自分ではないよ」とはぐらかす。それは、いまだ体調が万全ではないからという話だ。しかし、今年はこの地元開催の日本シニアに絞って必死の調整を続けてきただけに、額面通りに羽藤の言葉を信じることはできない。過去には日本アマで5位に入り日本オープンにも出場したほか、スポーツマスターズや国体での優勝経験もある羽藤。明日の同学年3人の対決は、みものだ。
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