昭和29年組のひとり、羽藤悟志(タカガワ新伊予)は、地元四国開催の本選手権に賭けていた。その思いを果たすように、第2ラウンドを終えて首位タイにつけた羽藤だったが、初優勝を目指した最終ラウンドは、5オーバーパーの77とスコアを伸ばすことが出来なかった。昨日から、「優勝はイーブンパー。でも、自分は無いよ」と話していた羽藤だが、言葉とは裏腹に、攻めのプレーを見せる。1番(パー5)では、いきなりイーグルチャンスを迎えるが、ここでまさかの3パット。出鼻を挫かれた格好の羽藤は、前半で4ボギーを叩いて優勝争いから脱落してしまう。しかし、後半は1バーディ・2ボギーと粘りのプレーで、その思いを成し遂げようという気迫を感じさせてくれた。「出だしの3パットがねぇ」と悔しさをにじませる羽藤。軽い冗談のように「自分は無理」と言いながら、今年は日本シニアだけに照準を合わせてきただけに、アテスト終了後の羽藤の表情は、落胆の色が濃かった。
|