コースとの相性というのは、どこまでスコアに結びつくのだろうか。塩月純生(オータニにしき)は、初出場の日本ミッドアマで2位に2打差の単独首位に立ち、初優勝に大きく前進した。この日の塩月は10番ホールからティーオフ。スタートホールはセカンドショットをグリーン奥に乗せて、「覚悟した」という3パットのボギー。続く11番では、フェアウェイから残り100ヤードをミスしての連続ボギーで「正直、嫌なスタート」を切ってしまった。しかし、ここから塩月と鳴尾GCの相性がものをいう。普通なら無理な攻めには、手痛いしっぺ返しがかえってくるこのコースで、塩月は「ここで思い切りティーショットを打って流れを変えよう」と310
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ヤードの13番(パー4)でドライバーを振りぬきグリーンそばまで運ぶビッグドライブを見せると、15ヤードのアプローチを「ライが悪くて…強めに打った」のが、きれいにホールに沈みチップインイーグルで、1ホールでスコアを戻して見せた。この後も17番で残り100ヤードの2打目をアプローチウェッジで1.5メートルにつけて、「ホール真横からの1.5メートル」のパットをねじ込みバーディ。前半で1つスコアを伸ばしてみせた。
スコアの乱高下が激しかった前半を終えると、ハーフターン直後の1番はティーショットを右の林に打ち込むミスも3打目を50センチに寄せてパーセーブ。7番(パー5)では、250ヤードを果敢に2オン狙ったが、グリーン手前のクリークに。しかし、ここも60ヤードのアプローチを見事に寄せてスコアを守って見せた。後半は一転して「安全第一にプレーした」という言葉とおり、幾度かのピンチを凌いでパープレーにまとめた塩月は、この日1イーグル・2バーディ・3ボギーの69と1つスコアを伸ばして通算イーブンパーの単独首位に躍りでた。「ボギーを打ってもおかしくないホールでパーを獲れたり…ついている感じです。こういうところに、相性を感じます」と、相好を崩す塩月。2位の金子とは2打差をつけているが、「この差はないものと考えたい」と、油断は見られない。
全国大会で優勝争いを演じることになるのは明日が初めてというが「我慢のプレーは得意。自分はパットが得意なほうではないし、スコアの伸ばしあいになると厳しい。鳴尾GCはバーディ合戦にはならないし、必死でパーセーブしていく我慢なら…」チャンスはあると踏んでいる。「5位以内を目標にしてきましたが、ここまでくれば…そうも言ってはいられない」と、目の前に仄かに浮かぶ優勝杯に新たな決意を見せるが、もう一つ、塩月には優勝杯を手にしたい理由がある。「昨夜から、応援メールをたくさんいただいていて。自分を応援してくれている方々への期待に応えたい」と、自分に言い聞かせて、明日の最終ラウンドに臨む。
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