女子アマチュアゴルファーにとって本選手権は、1年に1度の大舞台。選手たちは、この舞台を目標に1年の間、練習を積み重ねてくる。そして、少しでも昨年の自分より成長していると実感が持てるか否か、如実にスコアとなって現れる残酷な舞台でもある。首位と3打差の7位タイグループにつけた3人は、それぞれがこの1年間の成長を表現してみせた。
昨年に続いてJGA女子ナショナルチーム候補選手に選ばれている篠原真里亜(湯布院)は、4バーディ・ノーボギーでホールアウト。4番では40センチのバーディパットを外してしまったが、「すごく落ち着いていた。チャンスを逃したけれど、大丈夫。きっとチャンスは来る」と集中を切らさ
ずプレーできた。「これまでは、バーディを逃したりボギーを叩いてしまうと、イラッとしてしまうことがあったけれど、この1年そういう気持ちの波を立てないようにと思って練習してきた成果が生きたと思う」と自分自身の成長を感じられた。だからこそ、「昨年のベスト8はクリアしたい」と、その成長を実績として残したいところだ。
眞尾万里(こだま神川)は、5バーディ・1ボギーの68。前半はティーショットが安定していたものの、セカンドショットの距離感に苦しみ、パープレー。特に9番ホールでのボギーはグリーン手前の花道からのアプローチをミスしてのボギーに「正直、昨年までの自分だったら、あのミスで切れていたかも」というが、10番で難しいパーパットをねじ込み「悪い流れを断ち切った」と14番で1メートルにつけて1アンダーパーとすると、上がり3ホールを連続バーディで締めくくった。「良いスタートが切れた」と相好を崩す眞尾だが、その笑顔はスコアだけでなく、集中を切らさずに最後までプレーできた自分に満足していたからだろう。
「この試合に向けて、この試合だけのために頑張ってきた」と話すのは、臼井麗香(皐月GC鹿沼)。臼井はスタートの1番で50センチのパーパットを外しボギーとしたが、「バーディを獲ることだけを考えていた」という通り、直後の2番ですぐにスコアを戻すと、4、5番で連続バーディとし、8番では80ヤードのセカンドショットを50センチにつけて前半で3つスコアを伸ばす。後半12番(パー3)では、昨日の練習ラウンドで自身初めてのホールインワンを決めた8番アイアンでのティーショットを3メートルにつけると、14番でもバーディを奪ってスコアを伸ばす16番では3パットのミスでボギーとしたが、6バーディ・2ボギーで68をマークしてみせた。練習の成果を発揮したこの日のラウンドだったが、まだまだ満足はしていない。「自分のベストスコアの66を更新できそうなプレーだった。それなのに、2ボギーで…」と、悔しがる。この貪欲さと「マッチプレーに残って一つでも多く勝ちたい」その一つ一つの経験が、さらに彼女の成長を促していくのだろう。
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