鬼頭桜(美岳)にとっては、これが最後のアマチュア競技。この春高校を卒業し、プロ入り目指して、そちらへの道を歩き始めている。プロテストも2次まで通過(B地区トップ)、最終テストを残すのみとなっている。現在は、まだアマチュアとしての資格を保持していて、この大会を自ら「アマチュア卒業式」と位置付けている。昨年は準々決勝で敗退した。このときの対戦相手が、その後も順調に勝ち進んだ比嘉真美子で、彼女はその後プロ入りし、今年はプロのルーキーイヤーですでに2勝を挙げている。
比嘉の活躍に刺激されているのだろうか。鬼頭は、首を横に振る。「私は、私です。自分がやるべきことをやるだけ」
では、その“や
るべきこと”とは?
「自分のゴルフの向上です。飛距離にはある程度の自信があるのですが、それを生かすべき100ヤード以内のショットとパッティングが不安定なので、特にそこを重点的に練習し、トータルでのバランスを整えるようにしてきました」。
それが、第2次プロテストまでの結果にもつながっているのだろう。そして、最後のアマチュア競技だ。「いい形で卒業していくのが、これまでお世話になったみなさまへのお礼にもなると思っています」。
メダリスト、さらに優勝。鬼頭は、思いを口にし、そこを目標に第1ラウンドのプレーを始めた。1番ホールからのスタートで4、5番と連続バーディの後8番でもさらにスコアを伸ばしていったのだが、後半にターンしての14番パー4ホールで3メートルのバーディチャンスから3パットして、自らの流れに水を差してしまった。
今回の舞台である東児が丘マリンヒルズGCは、ナショナルチーム時代に2度合宿していることもあって、ラウンド経験も積んでいる。
「スコアは納得できませんが、きょうのゴルフで(好スコアがでるという)手応えはつかめました。第2ラウンドは、爆発できると思います。できればメダリストから優勝なんていわず、絶対にそれを実現させる。そういう強い思いを最後まで抱き続けて有終の美とします」。
アマチュアとしてのエピローグは、鬼頭の頭の中にしっかりと描かれている。
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