まさかのクォリファイ失敗だった。鬼頭桜(美岳9にとっては、これが最後のアマチュア競技。この春高校を卒業し、プロ入りを目指して、そちらへの道を歩き始めている。プロテストも2次まで通過(B地区トップ)、最終テストを残すのみとなっている。
現在は、まだアマチュアとしての資格を保持していて、この大会を自ら「アマチュア卒業式」と位置付けていた。昨年は準々決勝で敗退した。このときの対戦相手が、その後も順調に勝ち進んで大会連覇を果たした比嘉真美子で、彼女はその後プロ入りし、今年はプロのルーキーイヤーですでに2勝を挙げている。
今年は自分の番。鬼頭は、優勝を意識して今大会に臨んでいた。歳1ラウンド
には、こんな意気込みをもらしていた。「いい形でアマチュアを卒業していくのが、これまでお世話になったみなさまへのお礼にもなると思っています」。
そして迎えた第2ラウンドは、予想外の展開が待っていた。77と大きくスコアを崩して、マッチプレーに進出することさえできずに姿を消すことになった。
スコアカードの提出が終わると、「口惜しいです」と言ったあとは言葉にならず、泣きじゃくった。
「何もかもが滅茶苦茶になってしまって…」と再び口を開いたのは、しばらく経ってからだった。「2ホール目の11番でティーショットを左に連続OB(スコアは8)して、頭が真っ白になってしまいました。その後は、なんとか修正して立て直そうとしたのですが、今度はパットが、どうにもならなくなってしまって…1メートルでも入る気がしなくなって、焦りの次は絶望的な気分になって終わってしまいました。こんな結果にしてしまって、すみません」
ここまで話して、また泣きじゃくる。悔し涙のアマチュア卒業となってしまった。
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