ナショナルチームの堀琴音(兵庫県連盟)は、スタート前の練習グリーンでパッティング練習に時間をかけていた。ショットは好調なのに、それがスコアにつながらない。第1ラウンドはフラストレーションの貯まるラウンドで71にとどまった。問題はパッティングだった。なんとか修正したい。今日のスタート前まで必死の調整を続けていたのだった。
ティーオフ。1番で第2打をピン左4メートルにつけた。スライスラインだった。これが、真ん中から決まった。確かな手応えがあった。「きょうは、いける。自分に言い聞かせました。大きなバーディパットでした」。
今シーズンは、ショット不調で始まったという。「ボールがどちらにも曲
がってしまって、計算できない状態でした」。この不振は5月まで続いていた。関西女子アマ後に、「コーチからも勧められて、ドライバーからアイアンまでドローボールに統一する調整を続けているうちに、インパクトへのクラブヘッドの入り方が安定し、ショットの精度が高くなってきました」。
だから、かなり自信をもって日本女子アマに臨んでいた。「高校生活最後の大会ですので、ベスト4を最初の目標に、それが達成できたら優勝までいきたい。そう思って会場にきました」。
それだけショットには自信を持てるレベルにきていたわけだ。そして、フタを開けたら、今度はパッティングの課題が浮上してきた。それも、スタートホールのスライスラインを決められたことで克服できた。実は堀が得意にするのはフックラインなのだ。ショットがドローボールなので、パッティングもフックラインの方が流れを統一できるのだという。どちらかといえば苦手なスライスラインをスムーズなストロークで決められたことで、より大きな自信回復となったのであろう。
5番(パー5)は2オン2パット、6番では3メートル、ハーフターンして15番はピンそば50センチ、さらに16番5メートル、18番4メートルとバーディパットを迷いなく決めていった。実は、この日奪った7バーディのうち、スライスラインはスタートの1番ホールだけで、あとはすべてフックラインだった。好調なショットで得意なラインが残るエリアを狙っていけた。まさにショットとパットが噛み合っての65であった。これまでの自己ベストスコアは67。大舞台で2打更新できたことで、マッチプレーへの自信も深めていた。
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