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Championship Reports
競技報告
【21ホールに及ぶ熱戦を演じた北村と鈴木。勝敗を分けたのは北村の6番アイアン】
第4日 競技報告:JGA 写真:Yoshitaka Watanabe
18Hバーディを決める
ホールアウト後喜びを爆発させた
北村響(名神栗東)は1回戦で古川茉由夏(岐阜稲口)を2up、一方の鈴木愛(倉吉)は田村亜矢(東北高校)を5and4で下して、2回戦で対戦した。ベスト8を巡るこの争いは、18ホールでは決着がつかず、エキストラホールにもつれ込む熱戦となった。

先手を取ったのは、地元中国地区で日本女子アマ優勝を狙う鈴木。2009年大会でメダリストを獲得しながらベスト32を超えられなかった鈴木が初めて手にしたベスト16の座。このまま一気に勝ち進みたい鈴木は、3番で北村のミスからリードを奪うと、途中オールスクウェアに戻されても、つけ入る隙を与えず、13番のバーディで1up。北村がボギーを叩いた16番で2upにリー
鈴木との息詰まる熱戦
勝負を決めた3番のティショット
ドを広げたこのマッチは、17番でドーミーホールを迎える。

しかし、ここから北村が粘りを見せる。このホールで4メートルのバーディパットをねじ込んだ北村は、最終18番でも6メートルを決めてバーディ。土壇場でオールスクウェアに持ち込んだのだ。こうなると、流れは一気に北村に。19ホール目となる1番を両者バーディで分けると、20ホール目も両者パー。勝負は21ホール目の3番(パー3)で決着を見ることになる。

6番アイアンで放たれた北村のティーショットは「完璧な手ごたえ」という感触を残して、ピン2メートル手前に落ちると、そのままカップへと近づいていく。このショットは、あわやホールインワンという50センチにつけるスーパーショットで、鈴木にプレッシャーを与える。是が非でも勝ちたい鈴木のティーショットはミスとなりグリーンを外して万事休した。

6番アイアンで勝負を決めた北村は、倶楽部ハウスに戻ってくると「勝ったよ」と喜びの声とともに小躍りしながらマッチ報告書に向かった。一方、勝利を目前に逆転負けを喫した鈴木は憮然とした表情で、「終盤、勝負を決められるチャンスがたくさんあったのに、パットが…自分にイライラします」と自己憐憫に陥っていた。

今日1日で39ホールを戦い抜いた北村は、中学から現在在学中の滋賀学園高校でも陸上競技で体力強化を図っているだけに、疲れも見せずに笑顔を振りまく。実は、今や陸上界で注目を集める桐生祥秀と交流があり、刺激を受けているという。「体力トレーニングはもちろんですが、集中力を高める術は、彼のアドバイスがあってのもの。今日も最後まで集中力を切らさずにプレーできたことは、自分が成長できた証だと思う」と、話す。

来年プロ転向を考えている北村にとって、今年が最後の日本女子アマになるかもしれない。その舞台となっている東児が丘マリンヒルズゴルフクラブは、石川遼が高校1年生当時の2007年にアマチュアで史上最年少ツアー優勝を成し遂げた場所。ここで世界への扉を開けた石川に自らをなぞらえ、「自分の最後の日本女子アマで石川選手と同じ場所で結果を残したい。そして、彼のように次のステージを目指したい」と、夢は広がる。その夢の一歩を踏み出すために必要なのは、あと3勝だ。

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