昨年の日本アマで、松山英樹を下しベスト8入りを果たした小西健太(松永)。残念ながら3位決定戦で敗れて4位に終わったが、有望な高校生として強い印象を残している選手である。
彼の第一印象は、したたかなプレー振りとは正反対に、素顔は、静か、無口、控えめというイメージが強い。けれども、あれから1年が過ぎて、小西は、東北福祉大学に進学し、ゴルフ部に入部した。昨年のこの大会のベスト16で下した松山がキャプテンを務める大学である。
小西は、まず明るくなった。そして口数も増え、表情もキリリとする精悍さがでてきた。
「ゴルフ部の寮生活は、とても楽しいんです。(ゴルフをする)時間が無制限なんです。ですか
ら、自分で、どうプランを立てていくかということからなんです」と小西が言う。東北福祉大は、素晴らしいトレーニング施設がある。松山も、そこで体幹を徹底的に鍛えた。
「いまは、足りないものを補うという時期だと思っています」という小西のマインドは、間違いなく松山や先輩のアドバイスがあるに違いない。ゴルフでは、自主性が重視される。その意味では、小西のプラン次第では、この先、どこまで骨太のプレーヤーに育つか楽しみだ。
とはいえ、この大会の第1ラウンドは、少し躓いた。出だしの10番で、いきなりボギーとし、悪いリズムが先行した。14番でバーディを獲ったものの、続く15番でダブルボギーを叩いてしまう。
「ティショットは、フェアウエイに落ちたんですけど、残り210ヤードの第2打。4番アイアンのショットが、右のサブグリーン。そこからのアプローチで、ちょうどコブのようなマウンドがあって…」ピンから10ヤードもオーバーし、3パット。そこでちぐはぐなリズムになっての2オーバーパーである。
「いま、ドライバーにちょっと不安があるんですよね。ですから気持よく(雑念を払って集中して)ティーインググランドに立てないんです。それに…この大会は、1回しか予選通過(昨年)してないんですよ」
大学生活にも慣れて、ようやく自分の進むべきプランも見えてきた小西。彼の言うとおり「いまは足りないところを補う」と思っているので、その表情に焦りはない。明日の巻き返しを期待したい。
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