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Championship Reports
競技報告
【プレーオフは思わぬ結果に】
第2日 競技報告:三田村昌鳳 写真:Gary Kobayashi
10名によるプレーオフ
午後スタートの組が、半数以上ホールアウトし始めると、選手たちは、マッチプレーに
進出できる32名のカットラインの行方が気になり始める。当初は、あまりスコアが伸びないというムードがあって、4オーバーパーまで可能性がある。3オーバーパーなら、プレーオフになりそう…と、ひそひそ話が渦巻く。

最終組がホールアウトする直前になって、カットラインを示す順位ボードの2オーバーパー142ストロークに選手の名前が10名連なった。1オーバーパーまでで、すでに23名。つまりは、10名の選手の中から、ひとり脱落者を出さなければならない。
プレーオフは、10番と14番の繰り返しで、ひとりの脱落者が決まるまで続
芹澤 慈眼(大分)
秋元 一男(相模原)
く。
スコアカード提出順に、5人ずつ2組に別れてティーショットした。どの選手も緊張を隠せないのは、当然である。

ティーショットもフェアウェイを外す選手が半数近くいた。2オンできない選手も、多かった。どの選手も、なんとか寄せてパーを死守することしか念頭になかった。最初の組は、4人がパー。そして、13歳10ヶ月で本大会に出場した芹澤慈眼(大分・由布市立庄内中学2年)選手が、ただひとりボギーとした。そこで、次の5選手のプレーを待つ。

芹澤選手は、ほかの4選手の奥に隠れるように独りしょげていた。いまにも泣き出しそうな表情だ。次の組の5選手が、第2打を打ち終えた。やはりグ リーンに乗ったのはひとりだけだった。そして、次々になんとかパーを死守して、小さなガッツポーズをとる選手もいた。3人目が終わり、次が、唯一社会人の秋元一男(相模原)だ。1.5メートルほどのパーパットを外した。60センチほどカップを通りすぎて止まった。
「お先に…」という小さな声が聴こえた。
「あっ!」という響動きのような空気が流れた。そして返しのダブルボギーパットを丁寧に沈めた。

しょげていた芹澤は、それを見たはずなのに、まだ信じられないという表情をしていた。そして競技委員から「残りましたよ」と言われて、ようやく笑みに変わった。史上最年少のマッチプレー進出選手だ。
10人のプレーオフで、1人が残るという残酷極まりない結末。
「今日のラウンドでも、ああいう(距離)の3回ぐらい外してるんですよねぇ」
10番のフェアウェイを逆にクラブハウスに向かって歩いて行くとき、まるで独り言のように、そう呟いた。

32名のマッチプレー進出者が決まった。

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