決勝で当たるのではないかという戦前の予想もあったが、イ・スミン(韓国)とキャメロン・デービス(オーストラリア)の対戦は、3位決定戦となった。試合はお互いに1upよりリードすることがない好ゲームとなった。
試合が動いたのはオールスクウェアで迎えた14番からだった。イがこのホールで3パットしてボギーとし、このホールでキャメロンの1upとなる。イがターニングポイントと振り返ったのが15番ホールだった。連日の酷暑の中でプレーしてきて疲れが見え始めたイは、13番からティーショットが曲がり始めていた。15番もティーショットを左に曲げ、木の下。そこからグリーンを狙ったものの、ボールはグリーンを30ヤードもオーバーして、深いラフの中。そこからロブショットを試みたが、ミスしてショートし、ピンチ。だが4打目を起死回生のチップイン・パーで、このホールを分けた。「あれが大きかった」と言う。
続く16番でデービスが3パットのボギーをたたき、試合はオールスクウェアに。さらにイが17番で6メートルのバーディパットを沈めて、1upとリードする。だが、簡単には終わらなかった。18番で第2打をバンカーに入れたイは4メートル弱のパーパットを残す。一方のデービスは2メートルのバーディチャンス。勝負はエキストラホールに突入するかとも思われたが、イがこのパーパットを執念でねじ込んだのに対し、デービスはバーディパットを外し、勝負を決した。
昨年はベスト16、今年は3位に終わったイは「もっと上に行けたと思う」と悔しさを隠せない。2週間後には、ネイバーズトロフィーチーム選手権(軽井沢72ゴルフ 東・入山コース)に韓国チームの一員として再来日する。今回の戦いで「改めてパットが大事だと思った」イの存在が日本チームの脅威となるかもしれない。
一方の敗れたデービスは、3バーディ・1ボギーとゴルフの内容では、イに勝っていたが、それでも勝利できないのがマッチプレーだ。「ストロークは関係ない。勝てなくて残念」とこちらも疲れた様子だった。日本オープンの出場権を獲得したが、学校の試験と日程が重なり、まだ出場するかわからない。将来的には日本ツアーかワンアジアツアーに参加したいと考えている。
優勝はできなかった2人だが、いずれにしても近い将来日本でプレーする機会は増えそうだ。
|